書籍詳細

書籍のレビュー・概要

AI(人工知能)、生物の進化、宇宙に存在する暗黒物質--これらまったく異なる研究分野を、同じ窓から読み解く方法があります。数学を共通言語にさまざまな事象を理論的に解明する方法、数理です。数理の窓から見えるそれぞれの世界を、自らの進路選択や研究の魅力を交えながら、若手研究者たちが瑞々しい感性で紹介します。

数理の窓から世界を読みとく

Takumi ブックス

数理の窓から世界を読みとく

素数・AI・生物・宇宙をつなぐ

著者・関係者
初田 哲男 編著・柴藤 亮介 編著
カテゴリ
ジュニア新書
刊行日
2021/11/19
体裁
新書・212頁
ISBN
9784005009435
在庫状況
在庫あり

価格:946 円

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著者略歴

  • 【執筆者紹介】 初田哲男(はつだ・てつお) 1958年大阪生まれ。1986年京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。筑波大学物理学系助教授、京都大学大学院理学研究科助教授、東京大学大学院理学系研究科教授、理化学研究所主任研究員などを経て、現職は、理化学研究所数理創造プログラム(iTHEMS)プログラムディレクター、東京大学名誉教授。専門は理論物理学。1997年西宮湯川記念賞、2012年仁科記念賞、2014年文部科学大臣表彰(科学技術分野)、2016年東レ科学技術賞、などを受賞。 小学校高学年で湯川秀樹の研究や生き方にあこがれ、理論物理学の世界を目指す。素朴な好奇心を失わず、いつも新しいことにチャレンジしたいと考えている。おもな著書に『岩波講座計算科学〈2〉計算と宇宙』(岩波書店、共著)、『Quark-Gluon Plasma』(ケンブリッジ大学出版局、共著)など。 柴藤亮介(しばとう・りょうすけ) 1984年埼玉生まれ。東京都立大学理学部物理学科卒業(原子核理論研究室)。同大学院博士後期課程単位取得退学。2013年に株式会社エデュケーショナル・デザイン(現アカデミスト株式会社)を設立し、2014年に国内初の学術系クラウドファンディングサイト「academist」を、2015年に学術系メディア「academistJournal」を公開。8年間で約1000名の研究者、約1万5000名の支援者が利用するサービスに成長。 会社のビジョンでもある「開かれた学術業界」の実現を目指し、常にアカデミストのことを考えながら日々を過ごしている。サービスを運営するなかで、大学は税金で支援されるべきという「常識」の根源が気になりはじめ、ここ数年は大学論の関連書籍を読むことが増えてきた。 宮﨑弘安(みやざき・ひろやす) 1988年東京生まれ。理化学研究所数理創造プログラム(iTHEMS)上級研究員。2011年東京大学理学部数学科卒業。2016年東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了、博士(数理科学)。日本学術振興会特別研究員、理化学研究所特別研究員、パリ第6大学ジュシュー数学研究所博士研究員(パリ数理科学財団フェロー)、理化学研究所数理創造プログラム基礎科学特別研究員を経て、2020年より現職。専門は数学、特に数論幾何・代数幾何。 高校時代、数学好きな仲間に恵まれ「数理研究同好会」を結成し、数学を深く研究する楽しみと出会った。趣味は珈琲をゆっくり豆から淹れながら、数学についてあれこれ考えをめぐらせること。珈琲の質とひらめきの質には深い相関があると信じている。最近の研究は、代数多様体という幾何学的対象の中から整数や多項式の本質を表す「モチーフ」をけずり出すこと。数論にまつわる様々なミステリアスな現象をモチーフで解明・発見することを目指している。 田中章詞(たなか・あきのり) 1987年京都生まれ。大阪大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)。理化学研究所理論科学連携研究推進グループ(iTHES)基礎科学特別研究員、理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP)特別研究員を経て、現職は理化学研究所数理創造プログラム(iTHEMS)上級研究員、理化学研究所革新知能統合研究センター(AIP)研究員、慶應義塾大学訪問研究員。専門は数理物理学と機械学習。2019年素粒子メダル奨励賞を受賞。中学・高校と部活(6人制バレーボール)に勤しんでいたが、物理や数学への興味も強く大学から本腰を入れて勉強を始めたところ、数理の奥深さやおもしろさにひかれ現在にいたる(今は運動不足気味)。おもな著書は、『ディープラーニングと物理学』(講談社、共著)など。 入谷亮介(いりたに・りょうすけ) 1987年兵庫生まれ。理化学研究所数理創造プログラム(iTHEMS)研究員。専門は数理生物学。2011年京都大学理学部卒業。2016年九州大学大学院システム生命科学府修了。博士課程の間は主にフランスとスイスで研究を遂行。博士(理学)。同大学院ポスドク研究員、米国・カリフォルニア大学バークレー校ポスドク(英国・エクセター大学からの派遣)を経て、2019年より現職。幼少期の趣味は、昆虫採集と2桁×2桁の整数の暗算。大学初年度に数理生物学という学問の存在を知り、ただちに専攻を決めた。研究の主な動機は、生物の行動や性質が適応進化する要因を解明すること。現在は、異なる種間の交尾、適応進化が多種共存に与える影響、寄生者による宿主行動の操作、性比、開花植物の進化、といった現象の数理的な研究を行なっている。2020年日本生態学会奨励賞(鈴木賞)、および日本数理生物学会研究奨励賞、受賞。 廣島 渚(ひろしま・なぎさ) 1991年生まれ。富山大学学術研究部理学系助教、理化学研究所数理創造プログラム(iTHEMS)客員研究員。2014年京都大学理学部卒業。2019年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。博士(理学)。数理創造プログラム特別研究員を経て2020年より現職。子供の頃はいわゆる本の虫でファンタジー小説が好きな一方、科学にも広く興味を持ち夏休みには研究機関の一般公開を楽しんでいた。宇宙にぼんやりとした興味を持ち始めたのもおそらくこの頃。「何となく好きなもの」の方向へ進んできた結果、現在の研究の中心は宇宙物理学的アプローチによる暗黒物質探査。理論と観測、素粒子物理学と宇宙物理学の間をつなぐ研究を目指して日々修行中。趣味は音楽および体を動かすこと。2013年第3回京都大学理学研究科竹腰賞受賞。2021年富山大学学長賞第5回未知に挑む女性研究者賞受賞。

目次

  1. まえがき……………柴藤亮介 序 章――数理の窓から世界を眺める……………初田哲男 第1章 「数のふしぎ」のその先へ……………宮﨑弘安 数のふしぎをみる実験/数の原子、「素数」/フェルマーの小定理/素数は全部でいくつある?/北極星を追って/無秩序の中にひそむ秩序/フェルマーの挑戦状/数の夜空を彩る星座――素元星座定理/無数に広がる数の世界/数の「かたち」をめぐる旅――数論幾何学/地球とドーナツはどう違う?/曲線なのか面なのか/ドーナツの穴から解をのぞく/ドーナツの上には何が住む?/整数たちの「安住の地」――数論幾何学/数学禅問答――空間が先か、関数が先か/数のふしぎのその先へ 第2章 人工知能に絵を描かせる方法……………田中章詞 まずはじめに 人工知能とは何か SF的人工知能の難しさ/人工知能の実際/例迷路を解くプログラム/機械に学習させる/機械学習で絵を描かせる:生成モデル 生成モデルを作るとなぜ嬉しいか? いろいろな翻訳が可能になる/データを「増やす」ことができる/環境の動きを予想させることができる 具体的な生成モデル 物理学を用いたモデル、ボルツマン機械/深層学習/敵対的生成ネットワーク 条件付きの生成モデル 条件磁場付きのボルツマン機械/条件付きの敵対的生成ネットワーク/絵から別の絵への変換/教師不要の衝撃 機械学習のこれから 少数データをどう取り扱うか/解釈可能性/知能について、再び 第3章 数理で読みとく生物進化……………入谷亮介 生物の多様性に法則はあるか?/氏か育ちか/カエルの子はカエル、ダックスフンドの子はダックスフンド/みんな同じ?/突然変異で違いが生じる/偶然から必然へ/適応進化の法則と自然淘汰/生物はみな、うまくできている/研究者の仕事と、研究者になるまでの道のり/身近な「進化」/生物のデザインを実装する「バイオミミクリー」/適応進化をいかに数式で表すか/数理モデルって何だろう?/進化の数理の大胆さ/ゲーム理論の登場/生物の進化ゲーム/勝負の決着/進化の平衡状態とは?/進化ゲーム理論の具体例1 男女比の進化/男女比の適応進化の数理モデル/突然変異が不利とは? 進化的安定性とは?/進化ゲーム理論の具体例2 移動分散の進化/ホーム市場アウェイ市場 どちらに投資?/高校数学を使った適応進化研究の魅力 【コラム】 自然淘汰の「功罪」 第4章 暗黒物質の色は何色?――見えないモノを調べる方法……………廣島 渚 はじめに/見えないモノの存在/モノが見えるということ/暗黒物質の探し方――物理学者の挑戦/暗黒物質探査の今後――3つの戦略のシナジー/まとめにかえて 【コラム】 暗黒物質と暗黒エネルギー 【コラム】 色々な候補 あとがき……………柴藤亮介 著者おすすめの本/執筆者紹介

本文紹介

数学を使ってさまざまな研究テーマに挑む若手研究者たちが、瑞々しい感性で研究や自らの進路選択を語る。

抜粋:AI(人工知能)、生物の進化、宇宙に存在する暗黒物質--これらまったく異なる研究分野を、同じ窓から読み解く方法があります。数学を共通言語にさまざまな事象を理論的に解明する方法、数理です。数理の窓から見えるそれぞれの世界を、自らの進路選択や研究の魅力を交えながら、若手研究者たちが瑞々しい感性で紹介します。