書籍詳細

書籍のレビュー・概要

「歴史の消去」が進行する現在という時代の危機と、歴史学そのものの危機的状況――二重の問題意識のもと、歴史学と社会との関係を改めて問い直す。3・11後の経験、東アジアの歴史認識問題や、ジェンダーの視角からの問いかけ、転換期にある歴史教育の現場が拓く可能性に、歴史学はどう向き合うのか。近年の「歴史批評」を集成する現代文庫オリジナル版。解説=戸邉秀明

危機の時代の歴史学のために

Takumi ブックス

危機の時代の歴史学のために

歴史論集3

著者・関係者
成田 龍一 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2021/07/15
体裁
A6・並製 ・カバー ・444頁
ISBN
9784006004347
在庫状況
在庫あり

価格:1,848 円

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著者略歴

  • 成田龍一(Ryuichi Narita) 1951年生まれ。日本女子大学名誉教授。近現代日本史。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。著書に『近現代日本史との対話【幕末・維新─戦前編】』『同【戦中・戦後─現在編】』(集英社新書)、『近現代日本史と歴史学』(中公新書)、『大正デモクラシー』(岩波新書)、『増補 「戦争経験」の戦後史』(岩波現代文庫)他多数。

目次

  1. 歴史論集3 まえがき 問題の入口 「危機」を見据える 第1章 記憶せよ、抗議せよ そして、生き延びよ――井上ひさしのことばから 第2章 歴史学の「逆襲」 第3章 危機の時代の歴史学と歴史学の危機 Ⅰ 3・11以後――「核時代の歴史学」へ 第4章 「3・11」を経た歴史学――歴史学は災害にどう向き合ってきたのか はじめに 1 災害と歴史家たち 2 災害史のメタヒストリー 3 核時代の歴史学へ――「現代的災害」を扱うということ おわりに 第5章 「被爆」と「被曝」をつなぐもの――井上光晴『西海原子力発電所/輸送』をめぐって Ⅱ 東アジアのなかの歴史学 第6章 人間的想像力と歴史的記憶 第7章 高崎宗司『定本「妄言」の原形』をめぐって 第8章 「帝国責任」ということ はじめに 1 「併合」の論じ方 2 帝国意識 3 植民地体験 おわりに 第9章 新しい歴史家たちよ、目覚めよ 1 歴史認識の問い 2 「韓国併合」をどう呼ぶか 3 「韓国併合」をめぐる認識の展開 4 アイデンティティの問い直し 5 歴史認識の問い、再び 第10章 「東アジア史」の可能性 はじめに――二〇〇五年の東アジア 1 『未来をひらく歴史』をめぐって 2 テクストとしての『未来をひらく歴史』 3 東アジア史の可能性――あるいは「日中韓三国共通歴史教材」の可能性 Ⅲ ジェンダーと歴史認識 第11章 歴史認識と女性史像の書き換えをめぐって――近現代日本を対象に はじめに 1 女性史を書き換える/女性史で書き換える 2 一九七〇年代初めにおける女性史像とその書き換え 3 一九九〇年代半ばにおける女性史像とその書き換え おわりに 第12章 上野千鶴子と歴史学の関係について、二、三のこと 第13章 性暴力と近代日本歴史学――「出会い」と「出会いそこね」 はじめに 1 近代日本歴史学と性/性暴力 2 性暴力をめぐる近代日本歴史学の歴史 3 オーラルヒストリーとの「出会いそこね」 4 「転回」をめぐって Ⅳ 〈歴史の知〉の環境――歴史学・歴史教育・メディア 第14章 「歴史」が語られる場所 第15章 「通史」という制度――「戦後歴史学」の風景のなかで はじめに 1 戦後史学史のなかの「通史」 2 「通史」の構造 3 問題としての「通史」 第16章 「歴史」を教科書に描くということ 1 いま「歴史修正主義」とは 2 物語としての歴史 3 歴史研究と歴史教育 4 問われる歴史の語りの主体 第17章 「教科としての歴史」との対話 はじめに 1 歴史教科書の叙述 2 授業という場所と歴史教科書 3 入試問題をめぐって おわりに 第18章 「戦後歴史教育」の実践について――加藤公明・授業実践を考えるために はじめに 1 「戦後歴史教育」の推移 2 「戦後歴史教育Ⅱ」としての「考える日本史」授業 3 「戦後歴史教育」の歴史的位相と加藤実践 第19章 次世代に「知」を伝えるということ――歴史の「知」と歴史学の「学知」のあいだ はじめに 1 「戦後歴史教育」のメタヒストリー 2 歴史教育の「場所」(その1) ――教室内外での自由民権運動 3 歴史教育の「場所」(その2) ――メディアのなかでの自由民権運動 あとがき――「歴史論集」全3冊をめぐって 初出一覧 解 説……………戸邉秀明

本文紹介

時代の危機に立ち向かい、自己変革を続ける歴史学をめぐる、近年の思索のエッセンスを集成。解説=戸邉秀明。

抜粋:「歴史の消去」が進行する現在という時代の危機と、歴史学そのものの危機的状況――二重の問題意識のもと、歴史学と社会との関係を改めて問い直す。3・11後の経験、東アジアの歴史認識問題や、ジェンダーの視角からの問いかけ、転換期にある歴史教育の現場が拓く可能性に、歴史学はどう向き合うのか。近年の「歴史批評」を集成する現代文庫オリジナル版。解説=戸邉秀明