書籍詳細

書籍のレビュー・概要

敗戦から現在に至る思考の総体を〈戦後知〉として把握しようとする企てに、歴史学はいかに関わりうるのか。松本清張、司馬遼太郎、大江健三郎らの作品から、加藤周一、山口昌男、見田宗介らの思索まで、同時代の想像力を尖鋭に表現する文学や思想の読解を通じて、歴史学を専門知の閉域から解き放つ試み。現代文庫オリジナル編集。解説=戸邉秀明。

〈戦後知〉を歴史化する

Takumi ブックス

〈戦後知〉を歴史化する

歴史論集2

著者・関係者
成田 龍一 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2021/05/14
体裁
A6・並製 ・カバー ・430頁
ISBN
9784006004330
在庫状況
在庫あり

価格:1,782 円

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著者略歴

  • 成田龍一(Ryuichi Narita) 1951年生まれ。日本女子大学名誉教授。近現代日本史。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。著書に『近現代日本史との対話【幕末・維新─戦前編】』『同【戦中・戦後─現在編】』(集英社新書)、『近現代日本史と歴史学』(中公新書)、『大正デモクラシー』(岩波新書)、『増補「戦争経験」の戦後史』(岩波現代文庫)他多数。

目次

  1. 歴史論集2 まえがき 問題の入口 なぜ〈戦後知〉を問うのか 第1章 〈戦後知〉のありか 第2章 「戦後七〇年」のなかの戦後日本思想 はじめに 1 「戦後」を論じる環境と条件 2 「戦後」の二つの時期区分――直線型と物語型 3 「悔恨共同体」の内と外 おわりに Ⅰ 「戦後文学」の歴史意識――歴史学からの対峙 第3章 大佛次郎の明治維新像――半世紀後に読む『天皇の世紀』 はじめに 1 大佛次郎の明治維新 2 大佛次郎の認識と叙述――論点の提示 3 大佛次郎の作法 おわりに 第4章 司馬遼太郎と松本清張 1 「近代」の明るさと謀略と 2 歴史に対面するか対峙するか 3 戦後社会の理念に賭ける 4 二一世紀の「手持ちの資源」として 第5章 松本清張の「大日本帝国」――文学者の想像力と歴史家の構想力 はじめに 1 一九六〇年代・松本清張へ向かう視線 2 『象徴の設計』と『火の虚舟』 3 歴史家の文体をめぐって――むすびにかえて 第6章 「歴史と文学」の来歴 はじめに 1 「歴史と文学」の一九七〇年代 2 「文学史」というアリーナ Ⅱ 「戦後知識人」から「現代知識人」へ 第7章 「戦後知識人」としての加藤周一 1 加藤周一(その一) 2 加藤周一(その二) 3 戦後を生きた知識人 第8章 大江健三郎・方法としての「記憶」――一九六五年前後 1 記憶の場所/場所の記憶 2 記憶をめぐるテクストとしての『万延元年のフットボール』 3 記憶と表象 4 語りの位相――むすびにかえて 第9章 井上ひさしの「戦後」――出発点、あるいは原点への遡行 はじめに 1 作品のなかの「戦後」認識 Ⅰ 2 作品のなかの「戦後」認識 Ⅱ 3 「再帰的戦後」 第10章 「東京裁判三部作」の井上ひさし はじめに 1 「東京裁判三部作」まで 2 「東京裁判三部作」におけるデモクラシーの構造 3 「戦後」民主主義者/「後ポスト戦後」民主主義者としての井上ひさし おわりに 第11章 辻井喬のしごと――日中友好の井戸を掘る はじめに 1 さまざまな辻井喬 2 辻井喬の肖像――小説『彷徨の季節の中で』 3 辻井喬の中国 4 辻井喬の主張――『茜色の空』をめぐって Ⅲ 「現代思想」への〈転回〉を歴史化する 第12章 山口昌男の一九七〇年前後――「歴史学的思考」への挑発 はじめに 1 国史から「人類学的思考」へ 2 一九七一年・「知」のモデル 3 「歴史」への接近とその作法 おわりに――「八〇年代」の知に向けて 第13章 見田宗介をめぐってのこと二つ、三つ はじめに 1 一九七〇年代半ばまでの見田宗介 2 見田宗介と「戦後」認識 おわりに 第14章 山之内靖と「総力戦体制」論 第15章 「日本文化」の文化論と文化史――日本研究の推移 はじめに――「日本文化論」と「日本文化史」 1 「日本文化論」の推移をめぐって 2 「日本文化史」の推移をめぐって おわりに 初出一覧 解 説……………戸邉秀明

本文紹介

文学や思想の読解を通じ、歴史学の視角から〈戦後知〉の把握に挑む。現代文庫オリジナル版。解説=戸邉秀明。

抜粋:敗戦から現在に至る思考の総体を〈戦後知〉として把握しようとする企てに、歴史学はいかに関わりうるのか。松本清張、司馬遼太郎、大江健三郎らの作品から、加藤周一、山口昌男、見田宗介らの思索まで、同時代の想像力を尖鋭に表現する文学や思想の読解を通じて、歴史学を専門知の閉域から解き放つ試み。現代文庫オリジナル編集。解説=戸邉秀明。