書籍詳細

書籍のレビュー・概要

パンデミックで窮状が白日の下に晒された日本の大学。襲いかかるオンライン化の奔流、不可避の人口減、疲弊する教員、逼迫する資金、低下する国際評価――。存続の危機の根本原因はどこにあるのか。本来の大学を追究し続けてきた著者が、「時間」をキー概念に提案する再生のための戦略とは。ロングセラー『大学とは何か』待望の姉妹編。

大学は何処へ 未来への設計

Takumi ブックス

大学は何処へ 未来への設計

著者・関係者
吉見 俊哉 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2021/04/20
体裁
新書・316頁
ISBN
9784004318743
在庫状況
在庫あり

価格:1,100 円

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著者略歴

  • 吉見俊哉(よしみ しゅんや) 1957年 東京都生まれ 1987年 東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学 現在─東京大学大学院情報学環教授 専攻─社会学・文化研究・メディア研究 著書─『都市のドラマトゥルギー』(弘文堂、のち河出文庫)、『カルチュラル・スタディーズ』『視覚都市の地政学』(以上、岩波書店)、『ポスト戦後社会』『親米と反米』『大学とは何か』『トランプのアメリカに住む』『平成時代』(以上、岩波新書)、『「文系学部廃止」の衝撃』『大予言』『戦後と災後の間』『東京裏返し』(以上、集英社新書)、『五輪と戦後』(河出書房新社)、『大学という理念 絶望のその先へ』(東京大学出版会)ほか多数

目次

  1. 序 章 大学の第二の死とは何か――コロナ・パンデミックのなかで コロナ危機が浮かび上がらせた大学の窮状/オンライン化で授業の質は劣化する?/大学に、バブル崩壊が遅れてやってくる/自らの首を絞め続ける大学の苦悩/大学は企業のように「経営」されるべきなのか?/大学入試にしか関心のない日本社会/グローバル化と日本の大学の存在感低下/第二世代の大学が迎えつつある死とは 第一章 大学はもう疲れ果てている――疲弊の根源を遡る 大学は疲れ果てている/もう一つの平成失敗史――三大改革の顚末/「選択と集中」の支配 文系の困難/戦時の須要に応じる知――科学技術研究の大躍進/総力戦と理系高等教育の爆発的拡張/東京帝大第二工学部の「戦時」と「自由」/私学における理系拡張と文系縮小/高等教育における複線と単線/阿部重孝の改革案と東京帝大の反発 第二章 どれほどボタンの掛け違いを重ねてきたのか――歴史のなかに埋め込まれていた現在 占領期改革における継続と断絶/大学概念はすでにパラダイム転換していた/旧制高校を吞み込んだ旧制帝大/東大コマバの脱植民地主義的な挑戦/リベラルアーツは専門知の基礎なのか?/学部タテ割りを増殖させた旧制高校廃止/カレッジとしての新制大学――未完のビジョン/和田小六と東京工業大学の挑戦/ボタンの掛け違いはやがて複雑骨折に至る/なぜ、単位制が理解されなかったか/大学基準協会における曲折 第三章 キャンパスは本当に必要なのか――オンライン化の先へ オンライン化の津波が大学を襲う/大教室授業のオンライン化は本当に可能か/オープン・エデュケーションにおける日本の遅滞/オープン・エデュケーションとしてのOCW/大規模オンデマンド配信型授業としてのMOOC/ミネルバ大学の挑戦――キャンパスなき全寮制大学/オンラインが生む時間と空間の再編/オンラインとともに町へ出よう 第四章 九月入学は危機打開の切り札か――グローバル化の先へ 危機のなかの九月入学案/繰り返されてきた九月入学構想/東京大学における秋入学構想/クオーター制という補助線/困難列挙主義と越えられなかった壁/入口問題の解決だけが壁突破を可能にする/「空間の壁」の消失と「時間の壁」の浮上 第五章 日本の大学はなぜこれほど均質なのか――少子高齢化の先へ オンライン化、グローバル化、そして少子高齢化/マルチステージ化する長寿化社会の人生/それでも大学は期待されていない――通過儀礼でしかない日本の大学/人生で三回大学に入学する――トランスミッションとしての大学/「通信制大学」という回路/「高専」という回路/金沢工業大学・国際高専の挑戦/ダイバーシティとコミュニティの両立に向けて――大学の本分 第六章 大学という主体は存在するのか――自由な時間という稀少資源 大学とは誰か――カレッジ、ファカルティ、ユニバーシティ/若手研究者たちの絶望と疲弊/「学長のリーダーシップ」が孕む逆説/ホモ・アカデミクスたちの大学人生/大学における教授の四類型/学長のリーダーシップと構造改革派/時間という稀少資源と大学構造改革/時間の劣化を反転させる大学の横断的構造化 終 章 ポストコロナ時代の大学とは何か――封鎖と接触の世界史のなかで 反復するパンデミックとグローバル化/大学の場所はどこにあったのか/「自粛」の日本政治を支える「世間」/メディア環境化する「世間」/日本の「大学」はそもそも官吏養成機関?/オンラインは新たな銀河系?――何が大学を殺すのか あとがき 主な引用・参考文献

本文紹介

今、踏み出さなければもう間に合わない、大学再生のための戦略とは? 第一人者による大学論の集大成。

抜粋:パンデミックで窮状が白日の下に晒された日本の大学。襲いかかるオンライン化の奔流、不可避の人口減、疲弊する教員、逼迫する資金、低下する国際評価――。存続の危機の根本原因はどこにあるのか。本来の大学を追究し続けてきた著者が、「時間」をキー概念に提案する再生のための戦略とは。ロングセラー『大学とは何か』待望の姉妹編。