カテゴリー

書籍詳細

書籍のレビュー・概要

権力分立論はどのようにして姿を現したのか。一八世紀後半のブリテン帝国における『法の精神』の受容に焦点をあてることで、モンテスキューからアメリカ合衆国憲法制定時のマディソン、ハミルトンに至る政治思想史を精緻に叙述する。権力分立論の通説的理解を大きく修正し、その成立過程に新鮮な読み直しを迫る画期的研究。

権力分立論の誕生

Takumi ブックス

権力分立論の誕生

ブリテン帝国の『法の精神』受容

著者・関係者
上村 剛 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2021/03/23
体裁
A5・上製 ・カバー ・352頁
ISBN
9784000614603
在庫状況
在庫あり

価格:7,260 円

カートを見る

著者略歴

  • 上村 剛(かみむら つよし) 1988年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は政治思想史。現在、日本学術振興会特別研究員PD(法政大学)。

目次

  1. 序 章 第1部 鏡の国のモンテスキュー?──混合政体論と権力分立論の重なり(1748~1765) 第1章 『法の精神』における混合政体/権力分立と二つの裁判権 第1節 「三権分立」をめぐる議論の錯綜 第2節 裁判権の重要性 第2章 仏英における『法の精神』受容とブラックストン『イングランド法釈義』 第1節 英語圏におけるモンテスキューの高評価 第2節 ブラックストンにおける混合政体論と権力分立論の重なり 第3節 モンテスキューからブラックストンへ──司法権の変奏と貴族身分の擁護 第2部 さまよえるブリテン人──帝国の誕生と、混合政体論の動揺(1763~1773) 第3章 総督と植民地──帝国的国制の態様 第1節 1763年勅令と新植民地の苦闘 第2節 トマス・パウナル──混合政体論なき権力分立論の萌芽 第3節 国王大権モデルと混合政体モデル──参議会への権力集中 第4章 ミドルセックス選挙における混合政体論と権力分立論の衝突 第1節 論争が起きるまで 第2節 庶民院議会における罷免の決議と、グレンヴィルの反論 第3節 ウィルクスの再選と、議会外への論争の波及 第4節 立法権と司法権の異同? 第5節 論争の終了と影響 第6節 非混合政体論的国制解釈への傾斜──ドゥロルム『イングランド国制』 第5章 植民地に裁判所を作る──1773年東インド会社規制法への道 第1節 支配権の確立から司法法案まで 第2節 東インド会社規制法案と最高裁判所 第3節 ブリテン帝国における権力分立論の誕生 第3部 そうやって最も美しい噓が生まれる──帝国的国制のアメリカ的変容(1774~1792) 第6章 ケベック法とジョン・ディキンソン 第1節 フランス法の尊重か、イングランド法の導入か──ケベック統治のディレンマ 第2節 ジョン・ディキンソン、反本国派のリーダーになる 第3節 『ケベック住民への手紙』におけるモンテスキューの援用 第4節 植民地期の権力分立テーゼ・再考 第7章 1776年の邦憲法制定 第1節 宙づりの権力分立論──ジョン・アダムズ『政府に関する考察』 第2節 ヴァージニア邦憲法における権力分立の成文化 第3節 権力分立と帝国的統治構造──修正参議会の登場 第8章 マディソンの換骨奪胎──『フェデラリスト』のレトリックとリアリティ 第1節 いかに邦を抑制するか──マディソンにおける権力分立論の消極的地位 第2節 『フェデラリスト』における非権力分立論的権力分立論の価値 第3節 Adieu,Montesquieu──マディソン、モンテスキューと訣別する 第9章 ハミルトンの一点突破──『フェデラリスト』のレトリックとリアリティ 第1節 ハミルトンと執行権の単一性 第2節 執行参議会をめぐる葛藤 第3節 「立法審査制」から司法審査制への横滑り 終 章 参照文献 あとがき 事項索引 人名索引

本文紹介

いかにして権力分立論は姿を現したのか。モンテスキューからマディソンに至る思想史を大胆に描きかえる。

抜粋:権力分立論はどのようにして姿を現したのか。一八世紀後半のブリテン帝国における『法の精神』の受容に焦点をあてることで、モンテスキューからアメリカ合衆国憲法制定時のマディソン、ハミルトンに至る政治思想史を精緻に叙述する。権力分立論の通説的理解を大きく修正し、その成立過程に新鮮な読み直しを迫る画期的研究。