書籍詳細

書籍のレビュー・概要

歴史学は現代社会において何をなしうるのか。「戦後歴史学」が提示した歴史像が再検討を迫られ、さらに歴史修正主義の登場により歴史観の相克が深まるなかで、歴史学の方法、立場、叙述のスタイルなどをめぐる模索が様々に積み重ねられてきた。それらを批判的に検討することを通じて、歴史学のこれからのあり方を考察する、史学史的な視点からの歴史評論を集成する。現代文庫版オリジナル。解説・戸邉秀明。

方法としての史学史

Takumi ブックス

方法としての史学史

歴史論集1

著者・関係者
成田 龍一 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2021/03/12
体裁
A6・並製 ・カバー ・428頁
ISBN
9784006004323
在庫状況
在庫あり

価格:1,782 円

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著者略歴

  • 成田龍一(Ryuichi Narita) 1951年生まれ。日本女子大学名誉教授。近現代日本史。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。著書に『近現代日本史との対話【幕末・維新――戦前編】』『同【戦中・戦後――現在編】』(集英社新書)、『近現代日本史と歴史学』(中公新書)、『大正デモクラシー』(岩波新書)、『増補「戦争経験」の戦後史』(岩波現代文庫)他多数。

目次

  1. 歴史論集1 まえがき 問題の入口 「歴史の語り方」のメタヒストリー 第1章 〈正典〉なき時代 1 〈正典〉と歴史学 2 前田愛の作品をめぐって 第2章 二〇世紀歴史学の「古典」 1 近代歴史学の誕生と変化 2 実証主義の懐疑 第3章 歴史の「語り方」がなぜ問題となるのか Ⅰ 「歴史学」という近代の装置 第4章 「歴史学」という言説 はじめに 1 三つの論争/三つの史学史 2 一九三〇年代の歴史学の風景 ⑴ 明治維新像・一九三五年前後Ⅰ ⑵ 明治維新像・一九三五年前後Ⅱ おわりに 第5章 ナショナル・ヒストリーへの「欲望」 はじめに 1 ナショナル・ヒストリーの形成――一八九〇年前後 2 焦点としての「歴史」とナショナル・ヒストリー――一九三〇年代後半以降 第6章 文学史の饗宴と史学史の孤独 Ⅱ 鏡あるいは座標軸としての「民衆史研究」 第7章 違和感をかざす歴史学 はじめに 1 はじまりの違和感 2 民衆思想史研究の成立――前期・民衆思想史研究 3 民衆思想史研究の転回 むすびにかえて――「社会史研究」との距離 第8章 民衆史研究と社会史研究と文化史研究と――「近代」を対象とした はじめに 1 民衆史研究/社会史研究/文化史研究にかかわるいくつかの前提 2 民衆史研究を軸とした歴史学の光景――社会史研究への親和と文化史研究への違和 第9章 三つの「鳥島」 はじめに――史学史という領域 1 『「鳥島」は入っているか』とその三つのヴァージョン 2 自己と他者 3 「六八年」の転換と「九〇年代」への対抗 Ⅲ 歴史学の認識論的転回へ向かって 第10章 歴史意識の八〇年代と九〇年代 第11章 「評伝」の世界と「自伝」の領分――史学史のなかの個人史研究 はじめに 1 民衆史研究のなかの個人史研究 2 自伝をめぐって 3 自伝と歴史叙述のあいだ むすびにかえて 第12章 史学史のなかのピエール・ノラ『記憶の場』 1 「記憶の場」となった『記憶の場』 2 「記憶の場」の構成 3 一九七〇年代と一九九〇年代の歴史学 むすびにかえて 第13章 現代歴史学の「総括」の作法――民衆史研究・社会運動史・社会史研究を対象として はじめに――『成果と課題』の成果と課題 1 「総括」の現在とその作法 2 「民衆史研究」をめぐって 3 「社会運動史」グループの「総括」 4 「戦後歴史学」の姿勢 5 「第二世代」「第三世代」による総括 おわりに 初出一覧 解 説……………戸邉秀明

本文紹介

歴史学は現代社会の中で何をなしうるか。史学史的な視点から歴史の意味と可能性を問う。解説・戸邉秀明。

抜粋:歴史学は現代社会において何をなしうるのか。「戦後歴史学」が提示した歴史像が再検討を迫られ、さらに歴史修正主義の登場により歴史観の相克が深まるなかで、歴史学の方法、立場、叙述のスタイルなどをめぐる模索が様々に積み重ねられてきた。それらを批判的に検討することを通じて、歴史学のこれからのあり方を考察する、史学史的な視点からの歴史評論を集成する。現代文庫版オリジナル。解説・戸邉秀明。