カテゴリー

書籍詳細

書籍のレビュー・概要

人々の善き生を目指す福祉国家。だが、福祉を根底から規定する善き生とは何か、私たちは知らない。本書は、様々な思想家による福祉国家の思想を体系的に示すとともに、ケイパビリティ論、リバタリアン・パターナリズム、善き生論という3つの軸から、善き生を促す福祉国家へと社会を導くための新しい自由原理を描き出す。

自由原理 来るべき福祉国家の理念

Takumi ブックス

自由原理 来るべき福祉国家の理念

著者・関係者
橋本 努 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2021/02/17
体裁
A5・上製 ・カバー ・334頁
ISBN
9784000614535
在庫状況
在庫あり

価格:5,280 円

カートを見る

著者略歴

  • 橋本努(はしもと つとむ) 1967年 東京都生まれ 1990年 横浜国立大学経済学部,卒業 1999年 東京大学大学院総合文化研究科,博士号取得 現在 北海道大学大学院経済学研究院,教授 シノドス国際社会動向研究所,所長 【主要著書】 『自由の論法――ポパー・ミーゼス・ハイエク』創文社,1994年『社会科学の人間学――自由主義のプロジェクト』勁草書房,1999年 『帝国の条件――自由を育む秩序の原理』弘文堂,2007年『自由に生きるとはどういうことか』ちくま新書,2007年『経済倫理=あなたは,なに主義?』講談社,2008年 『自由の社会学』NTT 出版,2010年 『ロスト近代 資本主義の新たな駆動因』弘文堂,2012年『学問の技法』ちくま新書,2013年 『解読ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』』講談社,2019年

目次

  1. 序章 問題と構成 第1章 福祉国家の根本問題 0 はじめに 1 社会民主主義から現代へ 2 福祉国家の類型学 2-1 愛徳(カリタス)とボランティア 2-2 神に似た貧者たちの氾濫 2-3 規律訓練権力の動員 2-4 「生権力」を用いる国家 2-5 温情的な家父長制的配慮 2-6 共通善と自律の補完関係 2-7 討議する国家市民の要請 2-8 福祉国家を超える想像力 2-9 人間能力の全面開花 3 まとめ:福祉国家の根本問題の九カテゴリー 第2章 福祉国家の哲学的基礎――潜勢的可能性としてのケイパビリティ 0 はじめに 1 ケイパビリティ概念をめぐる論争 1-1 厚生経済学との関係 1-2 格差原理の補完か、平等な配慮か(ロールズとの関係) 1-3 資源主義との比較(1)ドゥウォーキンの批判 1-4 資源主義との比較(2)ポッゲの批判 2 アリストテレス主義との比較 2-1 ケイパビリティよりも機能の重視 2-2 ヌスバウムの別の可能性 2-3 この節のまとめ 3 ケイパビリティ概念の分析 3-1 選択の自律 3-2 一次機能と二次機能 3-3 変換能力と機能的等価物 4 潜勢的可能性としてのケイパビリティ 4-1 器キャパシティ論 4-2 潜勢的可能性の自己目的化 4-3 保障モデルと潜勢力モデル 5 おわりに 第3章 いかなる介入を正統化すべきか――リバタリアン・パターナリズムの射程(1) 0 はじめに 1 範例としてのカフェテリア問題 2 リバタリアン・パターナリズムの創造的な特徴 2-1 リバタリアニズムから一歩先へ 2-2 適用範囲は限られているはずなのに創造的 2-3 合理的経済人を想定するわけではない 3 批判者たちを包摂する戦略 3-1 主体化型の自由主義(リベラリズム)を包摂する 3-2 熟議民主主義を包摂する 3-3 限定合理性学派を包摂する 4 どのリバタリアン・パターナリズムを支持するか 4-1 コロブキンの類型 4-2 新たな類型論の提案 5 アスリート・モデルによる政府介入擁護論 第4章 自律していない者たちの社会契約――リバタリアン・パターナリズムの射程(2) 0 はじめに 1 システム1とシステム2の連携パタン 1-1 システム1とシステム2の4区分 1-2 システム2の怠惰への支援/代行 2 いかにシステムを連携させるか 3 リベラルな啓蒙主義vs.成長論的自由主義 3-1 システム1/システム2に対応する政府の介入 3-2 理性の怠惰傾向に対処する政府 3-3 政府レベルにおける対応の対立 4 おわりに 第5章 幸福の経済原理――自生的な善ウェルビイングき生の理論 0 はじめに:幸福論の興隆 1 選好順序としての価値 1-1 効用から選好へ 1-2 全般的な選好形成の三つの特徴 2 判断の準拠点 2-1 当事者視点の再構成 2-2 基準としてのプルーデンス:処世術と社会の繁栄 2-3 包括的目的の意義 2-4 隠された企て 3 欲求の器 3-1 十分な情報と充足されるもの 3-2 器のなかの卓越主義 3-3 潜勢的可能性とコミットメント 4 総量の最大化 4-1 普遍主義と特殊主義 4-2 総量増大の企て 4-3 欲求を考慮に入れた場合の問題 5 指標論の背後にある人間像 5-1 目指すべき媒介指標 5-2 不満足なソクラテス 5-3 富者や権力者への共感 6 自生的な善き生の理論 6-1 無知なる人間 6-2 自生的な多産性 6-3 回顧された生 6-4 もてなされた生 注 あとがき 文献一覧 索引

本文紹介

福祉をめぐる様々な思想を体系的に示し、来たるべき福祉国家を基礎づける新しい自由原理を描く。

抜粋:人々の善き生を目指す福祉国家。だが、福祉を根底から規定する善き生とは何か、私たちは知らない。本書は、様々な思想家による福祉国家の思想を体系的に示すとともに、ケイパビリティ論、リバタリアン・パターナリズム、善き生論という3つの軸から、善き生を促す福祉国家へと社会を導くための新しい自由原理を描き出す。