書籍詳細

書籍のレビュー・概要

紀元前一七─前一二世紀にギリシアの地で栄え、数々の個性的な土器や巨大な建造物を残して消え去った、謎多きミケーネ文明。ギリシア語の文字体系を持ちながら、なぜ一人の王の名も記さなかったのか。最新の考古学的知見にもとづき、周辺地域との関係、後世の記憶の伝承も含め、失われた地中海世界の姿を鮮やかに描きだす。

ミケーネ文明

Takumi ブックス

ミケーネ文明

古代ギリシアの原像

著者・関係者
周藤 芳幸 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2026/03/19
体裁
新書・204頁
ISBN
9784004321040
在庫状況
在庫あり

価格:990 円

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著者略歴

  • 周藤芳幸(すとう よしゆき) 1962年,神奈川県生まれ 1992年,東京大学大学院人文科学研究科単位取得退学.博士(文学) 現在―名古屋大学大学院人文学研究科教授 専攻―古代ギリシア史,エーゲ海先史考古学 著書―『ギリシアの考古学』(同成社,1997年) 『古代ギリシア 地中海への展開』(京都大学学術出版会,2006年) 『図説 ギリシア――エーゲ海文明の歴史を訪ねて』(河出書房新社,新装版2007年) 『ナイル世界のヘレニズム――エジプトとギリシアの遭遇』(名古屋大学出版会,2014年) 『古代地中海世界と文化的記憶』(編著,山川出版社,2022年)ほか

目次

  1. はじめに 第一章 失われた文明をもとめて 1 古代ギリシア人と過去 過去との連続 過去との断絶 ギリシア神話の英雄たち トロイア戦争の伝承とミケーネ 2 ミケーネ文明の発見 『古代への情熱』 シュリーマンとミケーネ 円形墓域Aの発掘 3 ギリシア各地における調査の進展 オルコメノスとティリンス エヴァンズとクノッソス宮殿 ブレーゲンによるコラクウの発掘 ミケーネ土器とその編年 第二章 歴史のなかのミケーネ文明 1 ミケーネ文明の誕生 ミケーネ文明以前のギリシア本土 ミケーネ時代の始まり 2 ミケーネ文明の発展 トロス墓の時代 ミノア文明の滅亡 宮殿の興隆 3 最盛期のミケーネ文明 東地中海への展開 宮殿の要塞化 「前一二〇〇年の破局 」 4 王国からポリスへ 宮殿後の時代 「暗黒時代」 前八世紀のルネサンスとポリスの誕生 第三章 ミケーネ文明の遺跡を訪ねる 1 アルゴリス地方の諸遺跡 アルゴス平野へ 「黄金に満ちた」ミケーネ 「城壁高き」ティリンス エレクトリュオンの宮殿ミデア 2 地域踏査の進むメッセニア ネストルの王国 「聖なる」ピュロス 3 アッティカのミケーネ時代 アッティカの統合 アテネのアクロポリス トリコスとマラトン 4 ボイオティアと内陸部の状況 オイディプスの都テーベ オルコメノス 謎に包まれたグラ 第四章 諸王国の統治構造 1 史料としての線文字B粘土板文書 線文字Bの解読 線文字Bの表記法 線文字B粘土板とその出土地 2 王権と社会 王国の領域 王の社会的な地位 ミケーネ社会の経済 再分配システム論を超えて 饗宴の社会的機能 3 武器と戦争 戦車と構築道路 戦士たちの武具 第五章 東地中海世界のミケーネ文明 1 エジプトとの文化交渉 「国際様式」の時代 エジプトのケフティウ 「エーゲ海リスト」 エジプトのミケーネ戦士 2 ヒッタイトとの外交関係 ヒッタイト帝国と地中海 アヒヤワ問題 トロイア戦争とペルシア戦争 3 沈没船は語る 交易の証拠としての沈没船 牛皮型インゴットが結ぶ世界 ミケーネ文明と交易 第六章 ミケーネ文明の遺産 1 ミケーネ宮殿社会からポリス社会へ ミケーネ文明と古典ギリシア文明 線文字B粘土板に現れる神々 連続する聖域 2 ホメロスの「軍船の表」 ホメロス的社会論とトロイア戦争 「軍船の表」 考古学的証拠からの再考 3 文化的記憶としてのミケーネ文明 文化的記憶とは何か 想起されるミケーネ文明 年 表 あとがき 参考文献

本文紹介

古代ギリシア以前に栄え消え去った謎多きミケーネ文明。最新の考古学的知見にもとづき、失われた地中海世界の姿を鮮やかに描く。

抜粋:紀元前一七─前一二世紀にギリシアの地で栄え、数々の個性的な土器や巨大な建造物を残して消え去った、謎多きミケーネ文明。ギリシア語の文字体系を持ちながら、なぜ一人の王の名も記さなかったのか。最新の考古学的知見にもとづき、周辺地域との関係、後世の記憶の伝承も含め、失われた地中海世界の姿を鮮やかに描きだす。