書籍詳細

書籍のレビュー・概要

始まりのフロイトは、何を開始したのだろうか――精神分析の創始者、ジークムント・フロイトが歩んだ軌跡は、決して一本道ではなかった。挫折や葛藤を含み込んだ彼の思想は、他なるものと接する地点、すなわち「異境」のなかでこそ形づくられる。異境を見据えつつ、あるいは自らも異境に留まり続けた、まったく新しいフロイトの肖像。

異境のフロイト

Takumi ブックス

異境のフロイト

精神分析のはじまりの肖像

著者・関係者
上尾 真道 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2026/03/24
体裁
四六・上製・296頁
ISBN
9784000617505
在庫状況
在庫あり

価格:3,520 円

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著者略歴

  • 上尾真道(うえお・まさみち) 1979年福岡県生まれ.京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了.博士(人間・環境学).現在,広島市立大学准教授.専門は精神分析,思想史.著書に『ラカン 真理のパトス――一九六〇年代フランス思想と精神分析』(人文書院),共訳書にハーマン『思弁的実在論入門』(人文書院),ランシエール『哲学者とその貧者たち』(航思社),フーコー『悪をなし真実を言う――ルーヴァン講義1981』(河出書房新社)など.

目次

  1. はじめに――地理精神分析のためのフロイト研究 凡 例 第一章 冥界めぐり――『夢解釈』の銘について 一 冥界を動かさん 二 力としての抑圧 三 『夢解釈』の歩み 四 二つの種類の心的配列――迷宮と地層 五 荒唐無稽と父への畏敬 第二章 ダイモーン――転移の彼岸へ向けて 一 転移とダイモーン 二 ダイモーンかつテュケー 三 ダイモーンの二つの相貌(1)――転移神経症の三角形 四 ダイモーンの二つの相貌(2)――ナルシス疾患、切断という病 五 人類の二つの体制 六 死の欲動の方へ――自我の痛み 七 欲動の歴史のなかの死 八 生の「本来的帰結」――危機的闘争へ 第三章 大衆と戦争――第一次世界大戦後の精神分析と政治 一 精神分析運動と大衆 二 大衆とヨーゼフ療法 三 「父なき社会」で――フェデルンとフロイト 四 グループとしてのネーション 五 国家とネーションのあいだ――ケルゼンとシュミット 六 発生論的転回――超自我の由来 七 なぜ戦争なのか 第四章 アナンケーと偶然――「レオナルド」論をめぐって 一 現実への一致――錯覚から科学へ 二 科学者レオナルド 三 レオナルドのコンプレクス 四 母なる自然と死の必然 五 偶然と行為 第五章 彫像のフェティシズム――考古学と精神分析 一 フロイトの部屋 二 古層からの誘惑 三 精神性の進歩的断絶 四 二重性の構築 終わりに――異境としてのパレスチナ 注 あとがき 事項索引 人名索引

本文紹介

フロイトの軌跡は決して一本道ではない。「異境」に晒され、そこに身を置くなかで形づくられる、まったく新しいフロイトの肖像。

抜粋:始まりのフロイトは、何を開始したのだろうか――精神分析の創始者、ジークムント・フロイトが歩んだ軌跡は、決して一本道ではなかった。挫折や葛藤を含み込んだ彼の思想は、他なるものと接する地点、すなわち「異境」のなかでこそ形づくられる。異境を見据えつつ、あるいは自らも異境に留まり続けた、まったく新しいフロイトの肖像。