書籍詳細

書籍のレビュー・概要

馬賊の頭目から満洲の覇者となり、日本軍に爆殺された張作霖(一八七五─一九二八)。その生涯は、近代国家・中国が生まれゆく道と日本の大陸進出とが交差するところに存在した。大元帥・張作霖は覇権の先に何を見ていたのか。袁世凱、段祺瑞、孫文など同時代の群像や関東軍との関係を丁寧にひもとき、乱世の生涯を描ききる。

張作霖

Takumi ブックス

張作霖

満洲の覇者、未完の「愛国」

著者・関係者
澁谷 由里 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2026/02/20
体裁
新書・238頁
ISBN
9784004321002
在庫状況
在庫あり

価格:1,034 円

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著者略歴

  • 澁谷由里(しぶたに・ゆり) 1968年,東京生まれ.日本女子大学文学部史学科卒業,京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了.博士(文学). 現在―帝京大学文学部教授 専攻―中国近代史 著書―『馬賊で見る「満洲」――張作霖のあゆんだ道』(講談社選書メチエ,2004), のちに『馬賊の「満洲」――張作霖と近代中国』(講談社学術文庫,2017) 『「漢奸」と英雄の満洲』(講談社選書メチエ,2008) 『〈軍〉の中国史』(講談社現代新書,2017) 共著―『新たな和解の創出――グローバル化時代の歴史教育学への挑戦』(馬暁華編,彩流社,2020) 『侠の歴史 東洋編 』下(上田信編,清水書院,2020) 『和解のための新たな歴史学――方法と構想』(劉傑編,明石書店,2022)など

目次

  1. はじめに 本書中の表記について 序 章 その日、現場では何が起きたのか? 1 現場の状況 2 河本大作の思惑 3 「出兵」から「暗殺」へ 4 爆殺実行 5 事件後の状況 第一章 「満洲馬賊」になるまで 1 幼少年期 2 日清戦争への従軍と結婚 3 「馬賊」になる 第二章 義和団事件と日露戦争――日本との交錯 1 「満洲」における義和団 2 清朝への帰順 3 匪賊帰順工作 4 日露戦争における「東亜義勇軍」 5 戦後処理と馮徳麟の帰順 第三章 清末新政から辛亥革命へ――「満洲」で変わったこと、変わらなかったこと 1 盛京将軍・趙爾巽の改革 2 「新政」開始 3 杜立山の最期とモンゴル「馬賊」討伐 4 徐世昌の失策と錫良との交代 5 錫良総督時代(一九〇九−一一年 ) 6 「満洲」における辛亥革命と張作霖 第四章 「東北王」への道――のしあがる張作霖 1 「張作霖政権」誕生 2 張作霖暗殺未遂事件 3 王永江の起用と「大団」体質からの脱却 4 北京政界の動揺と張作霖への影響 5 吉林省と黒竜江省への進出 第五章 越えがたい長城――北京への遠い道のり 1 北京政府の変化 2 段祺瑞による中国統一政策と張作霖の関与 3 孫文と張作霖 4 段祺瑞・張作霖の決裂と安直戦争(一九二〇年 ) 5 安直戦後の状況 6 戦後処理のゆくえ 7 孫文・寧武の動きと第一次奉直戦争 第六章 「愛郷」と「愛国」のはざまで 1 孫文・張作霖連合の構築とその歴史的意義 2 王永江の改革努力と奉天省財政の好転 3 公的財政領域の確立努力 4 軍事改革 5 直隷派内の動揺 6 「孫文大総統」構想 7 第二次奉直戦争 8 北京政変 9 孫文の死 第七章 大元帥への道 1 孫文没後の混沌 2 郭松齢事件の顚末 3 事件後の状況 4 張呉連合の成立と王永江の辞任 5 安国軍総司令就任 6 「討赤」同盟のゆくえ 7 大元帥への道 8 北京を去るまで おわりに――爆死をのりこえて 参考文献・史料 あとがき

本文紹介

馬賊の頭目から満洲の覇者となった張作霖。近代中国と日本の思惑が交差する乱世を生きた数奇な運命と爆殺の真相、その遺産。

抜粋:馬賊の頭目から満洲の覇者となり、日本軍に爆殺された張作霖(一八七五─一九二八)。その生涯は、近代国家・中国が生まれゆく道と日本の大陸進出とが交差するところに存在した。大元帥・張作霖は覇権の先に何を見ていたのか。袁世凱、段祺瑞、孫文など同時代の群像や関東軍との関係を丁寧にひもとき、乱世の生涯を描ききる。