書籍詳細

書籍のレビュー・概要

イスラエルはなぜ国際的に孤立してまで、パレスチナ人を徹底して攻撃するのか。パレスチナにユダヤ人の民族的拠点をつくるという思想・運動である「シオニズム」。ホロコースト以前に東欧で生まれ、建国後もイスラエルを駆動し続ける思想の起源と変遷を、国際社会とのかかわりの中で描く。現代世界を読み解くために必携の書。

シオニズム

Takumi ブックス

シオニズム

イスラエルと現代世界

著者・関係者
鶴見 太郎 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2025/11/20
体裁
新書・302頁
ISBN
9784004320876
在庫状況
在庫あり

価格:1,232 円

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著者略歴

  • 鶴見太郎(つるみ たろう) 1982年岐阜県生まれ.東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了.博士(学術).日本学術振興会特別研究員,エルサレム・ヘブライ大学客員研究員,ニューヨーク大学客員研究員,埼玉大学准教授などを経て, 現在─東京大学大学院総合文化研究科准教授 専門─ロシア東欧・ユダヤ史、シオニズム,イスラエル・パレスチナ紛争 主著─『ロシア・シオニズムの想像力』(東京大学出版会,2012年/東京大学南原繁記念出版賞,日本社会学会奨励賞),『イスラエルの起源』(講談社,2020年),『ユダヤ人の歴史』(中公新書,2025年)など

目次

  1. まえがき 最重要カタカナ語一一選(人物/ユダヤ・イスラエル関連用語) 序 章 用語の起源 独立運動か、植民地主義か――シオニズムの両義性 シオニズム理解における西欧中心主義 第1章 帝国への適応――国民国家以前のシオニズム 1 ヨーロッパ史とユダヤ人 シオニズムの孤高な先駆者たち ユダヤ人口の中心としてのロシア帝国 ポーランド時代の「植民地化された植民者」 ロシア帝国下のユダヤ人 2 ロシア帝国とシオニズムの発生 一八八一年のポグロムとレオ・ピンスケル ネーションという概念 パレスチナ入植と実践的シオニズム アハド・ハアムと精神的シオニズム(文化的シオニズム) ヘルツルの登場 ロシア帝国内政治での飛躍 反シオニズム 3 伝統との確執と経済問題 同胞への苛立ち――「民族詩人」ビアリク 伝統的共同体の弛緩 モシェ・レイブ・リリエンブルムと経済 ロシア・ユダヤ経済の変化 社会主義シオニズム アロン・ダヴィド・ゴルドンと農業入植 キブツ 「労働の征服」 多数派の重視 「ユダヤ文化」を定義することへの抵抗 第2章 東と西のあいだで 1 誰が真のユダヤ人か 西欧の魔力 「ウガンダ」論争 2 東からの迷惑な同胞 ドイツのユダヤ人とシオニズム 3 オリエンタリズムの連鎖 オリエンタリズム ユダヤ人のなかのオリエント オリエントの分割 第3章 戦間期の遺産――「民族」の国際化とファシズム 1 第一次世界大戦・ロシア内戦とポグロム 第一次世界大戦とユダヤ人 ロシア革命後の内戦とポグロム ポグロムの影響 2 「民族」の国際化――強制移住・住民交換・マイノリティ保護 ネーションと民主主義 「西ユーラシア東部」での強制移住の歴史 住民交換 マイノリティ保護 ホロコースト 3 ファシスト的権威主義との共鳴 シオニストのあいだのイデオロギー対立 修正主義シオニズムの源流 その1――ジャボティンスキー 修正主義シオニズムの源流 その2――青年組織ベタル 世代交代とパレスチナとの連動 第4章 イスラエル建国と植民地主義 1 祭り上げられたユダヤ人国家 改めて、独立運動か、植民地主義か 入植者植民地主義 シオニストが学んだ世界の再編 パレスチナ分割という発想 「ユダヤ人問題」を厄介払いする アメリカの消極的支持 ソ連の豹変 フランスとチェコスロヴァキアからの支援 2 シオニズムのアラブ観 初期のパレスチナのイメージ 「アラブ人」というカテゴリ アラブ観のバリエーションと変化 アラブ人との距離感 穏健派のアラブ観 3 エスニック・デモクラシーの遺産とエスノクラシー 潰えたソ連式の解決策 もう一つの東欧式 エスニック・デモクラシー エスノクラシー ソ連からの加勢と国民国家法 第5章 シオニズムのイスラエル化とホロコーストの影 1 多様性の統合と裾野の拡大 イスラエル人口の多様化 マムラフティユート(国家性) イスラエルとディアスポラの関係 2 ホロコーストのイスラエル化 ホロコーストの記憶 アイヒマン裁判と記憶のフラッシュバック ホロコースト教育 被害者意識ナショナリズム ホロコーストの記憶にもかかわらず ゆえにこそ 3 記憶の共同構築と新たな「反ユダヤ主義」定義 ホロコースト後のケア 西ドイツによる補償 ドイツの加害者意識ナショナリズム 国際社会によるケアの不在 第6章 シオニズムと宗教 1 キリスト教シオニズム キリスト教シオニズムの起源 アメリカにおける福音派のシオニズム 2 宗教シオニズムの興隆 シオニズムとユダヤ教の関係の類型 宗教シオニズムの過激化 国家との関係 カハネ主義――宗教シオニズム過激派のもう一つの源泉 3 宗教回帰はなぜ起こったか 世代交代 ユダヤ教との分かちがたさ ユダヤ教の特性 第7章 右派の台頭とゲーテッド・ネーション 1 右派の源流と支持層の拡大 修正主義の変遷 ネタニヤフの思考回路 欧米諸国のイスラモフォビアとの親和性 右派支持への人口変化 2 内外の「対テロ」戦争 テロ激化と壁の建設 「対テロ」戦争 イスラエルのゲーテッド・コミュニティ 3 壁で遮断された想像力 分離壁の長期的影響 ゲーテッド・ネーション 一〇・七 むすび――ケアの不在の帰結 シオニズムと女性 関係性としてのケア 社会問題という視座 国際社会の問題として考える あとがき 参考文献 図版出典一覧

本文紹介

パレスチナにユダヤ人の民族的拠点を作るという思想「シオニズム」。その起源と変遷を辿り、現代イスラエルの原動力を解明する。

抜粋:イスラエルはなぜ国際的に孤立してまで、パレスチナ人を徹底して攻撃するのか。パレスチナにユダヤ人の民族的拠点をつくるという思想・運動である「シオニズム」。ホロコースト以前に東欧で生まれ、建国後もイスラエルを駆動し続ける思想の起源と変遷を、国際社会とのかかわりの中で描く。現代世界を読み解くために必携の書。