書籍詳細

書籍のレビュー・概要

「守破離」という言葉は知られている。型を守り、破り、離れる。しかしその内側は謎である。無数の仕掛けを秘めている。初心から成就に至り、また初心に戻る。師匠と弟子の関係も変化する。逆転を促す教えである。武道や芸道に限らない。「自己」を磨き、「学び」を問い直すための、仕掛けに満ちた知恵である。

守破離の思想

Takumi ブックス

守破離の思想

初心から成就へ

著者・関係者
西平 直 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/11/26
体裁
四六・上製・394頁
ISBN
9784000617314
在庫状況
在庫あり

価格:3,850 円

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著者略歴

  • 西平 直(にしひら・ただし) 1957年生まれ.信州大学,東京都立大学,東京大学に学び,立教大学,東京大学に勤務の後,2007年より京都大学大学院教育学研究科教授.現在,上智大学グリーフケア研究所副所長,京都大学名誉教授.専攻は,教育人間学,ライフサイクル研究,死生学,日本思想. 著書に,『教育人間学のために』(東京大学出版会,2005年)『世阿弥の稽古哲学』(東京大学出版会,2009年,増補新装版,2020年)『無心のダイナミズム――「しなやかさ」の系譜』(岩波書店,2014年)『誕生のインファンティア』(みすず書房,2015年)『稽古の思想』(春秋社,2019年)『内的経験――こころの記憶に語らせて』(みすず書房,2023年)The Philosophy of No-Mind: Experience Without Self(Translated by Catherine Sevilla-Liu and Anton Sevilla-Liu, Bloomsbury, 2024)ほか.

目次

  1. 序 章 格に入り、格を出でて、はじめて自在を得べし 第一章 守破離の構図――型を守り・型を破り・型を離れる 1 守破離の見取り図――似する・似せぬ・似得る 2 「守」――急いで通り過ぎない 3 「破」――折れ曲がる 4 「離」――もとに戻る/自在になる 第二章 守破離と「型」――模倣・創造・名人芸 1 模倣と反復――型の中に自分を叩き込む 2 創造のための土台――「型」は、型を超えるための通路である 3 型の多層性――歌舞伎における深い模倣 第三章 守破離と「無心」――無心に向かう/無心から生じる 1 何かが消えると、何かが生じる 2 結果が生じてこなくても――「良い結果を出せ」と「成果は関係ない」 3 無心を「不生」から読む――盤珪禅師の「不生」 4 世阿弥の「無心の舞」――「舞を舞い、舞に舞われて」 第四章 守破離と「離見の見」――世阿弥『伝書』を読み直す 1 自分を、外から/内から、見る――「目前心後」と「二重の見」 2 他者の目を保ちつつ、自分の目に戻る――「我見vs.離見」と「離見の見」 3 当たり前が神秘である――「離見の見」と「複式夢幻能」 第五章 守破離と「勘」――黒田亮『勘の研究』を読み直す 1 勘と運――偶然に対して謙虚である 2 「覚」の体験――「全体なるもの」が顕れる 3 勘の生じる地平――心をどこにも置かない 補論1 心の修行・気の修行――『田舎荘子』に魅せられて 第六章 守破離と「稽古」――オイゲン・ヘリゲル『弓と禅』を読み直す 1 師と弟子――弟子の内的な仕事 2 師に対する内的抵抗――戸惑い・疑念・行き詰まり 3 精神的な目覚め――無心・目覚め・精神現在 4 身体の使い方――的を狙う努力・的を狙わない教え 5 「それ」が射る――誰が射るのか 補論2 重心を肚に置く――デュルクハイム『肚』 第七章 思想史の中の守破離――序破急・真行草・守破離 1 序破急という三文字――連語「序・破・急」と熟語「序破急」 2 真行草の展開――「草」を高く評価する 3 守破離の発生現場――茶の湯の語りの中から 終 章 問いとしての守破離――その先/その内 1 守破離の謎――問題の所在を示す知恵 2 成就・自在・顕現――これをもって「妙」となす 図版出典一覧 あとがき

本文紹介

「守破離」は稽古の三段階。型を守り破り離れる。その内側には無数の謎と仕掛けが秘められていた。逆転の知恵、自己を磨く道。

抜粋:「守破離」という言葉は知られている。型を守り、破り、離れる。しかしその内側は謎である。無数の仕掛けを秘めている。初心から成就に至り、また初心に戻る。師匠と弟子の関係も変化する。逆転を促す教えである。武道や芸道に限らない。「自己」を磨き、「学び」を問い直すための、仕掛けに満ちた知恵である。