書籍詳細

書籍のレビュー・概要

90年代以降、様々な支援・対策が打ち出され、対応を求められてきた「児童虐待」。統計上の増加が意味するのは、都市の病理か、心の病か、それとも――。「虐待」に対する人々のまなざし、そしてその変遷から読み解く。部活動・いじめほか学校問題の研究・発信で知られる著者の初著作を、増補のうえ待望の文庫化。

増補 「児童虐待」へのまなざし

Takumi ブックス

増補 「児童虐待」へのまなざし

社会現象はどう語られるのか

著者・関係者
内田 良 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2025/10/15
体裁
A6・並製・カバー・328頁
ISBN
9784006033569
在庫状況
在庫あり

価格:1,650 円

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著者略歴

  • 内田 良 Ryo Uchida 名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授.専門は教育社会学.博士(教育学).学校事故,教員の働き方,部活動,校則,いじめなどの教育問題に取り組む.本書『「児童虐待」へのまなざし』で第4回日本教育社会学会奨励賞(著書の部)受賞.著書に『柔道事故』(河出書房新社,2013年),『教育という病』(光文社新書,2015年),『ブラック部活動』(東洋館出版社,2017年),『教育現場を「臨床」する』(慶應義塾大学出版会,2023年)など.編著に『部活動の社会学』(岩波書店,2021年),『だれが校則を決めるのか』(共編,岩波書店,2022年),『いじめ対応の限界』(東洋館出版社,2024年)など.ヤフーオーサーアワード2015受賞.

目次

  1. はじめに 序 章 「児童虐待」の発見 1 新しい社会問題 2 「児童虐待」へのまなざし 第1章 「虐待」は都市で起こる――児童相談所における虐待相談対応件数の分析 1 虐待防止の力学に迫る 2 児童相談所における「虐待相談対応件数」の概要と見方 3 虐待発見の動向 4 都市における「虐待」の発見 5 都市における発見活動の担い手 6 「虐待」は都市で起こる 7 「虐待」をときほぐす コラム① 数字で読む社会現象(1)――数字は何をすくい上げているのか 第2章 「虐待」は増加する――攻撃・放置減少時代における増加説の台頭とその陥穽 1 「虐待の増加」への疑問 2 「虐待は増えている」 3 虐待増加の要因――現代的・都市的病理としての問題 4 「虐待は減っている」 5 現代・都市要因論と「安全と危険のパラドクス」 コラム② 数字で読む社会現象(2)――数字は何と比較されているのか 第3章 誰が「虐待」を定義するのか――援助活動における「虐待」適用の回避戦略 1 理念上の定義と実践上の定義 2 「虐待」の定義をめぐる議論 3 援助者と当事者における「虐待」の定義 4 定義の新たな運用方法と援助の可能性 コラム③ 「善」と「悪」をどう読み解くのか――ラベリング論の分析視点 第4章 「虐待」の家族を生きる――まなざしが生み出す精神的傷害 1 苦悩への社会学的アプローチ 2 児童虐待とスティグマ 3 当事者の語りと行為者像 4 被虐待経験へのスティグマ付与 5 家族の愛情規範を源泉とするスティグマ付与とその精神的傷害 6 愛情規範を源泉とする精神的傷害の社会的解決策 コラム④ 現象をとらえる四つの視点――個人から社会へ 終 章 1 聖性を帯びた活動 2 Children Firstを支えるProfessionals First 3 本書の知見はどこに向かうのか おわりに 補 章 子ども受難の時代――家庭と学校を貫く分析 1 子どもの目線から 2 ホームは安全か? 3 虐待件数の都道府県格差 4 いじめ件数の都道府県格差 5 大人は虐待/いじめに気づいているか 初出一覧 引用・参考文献 索 引

本文紹介

「児童虐待」の増加が示すのは、都市の病理か、心の病か、それとも――。人々の「虐待」へのまなざしとその変遷から読み解く。

抜粋:90年代以降、様々な支援・対策が打ち出され、対応を求められてきた「児童虐待」。統計上の増加が意味するのは、都市の病理か、心の病か、それとも――。「虐待」に対する人々のまなざし、そしてその変遷から読み解く。部活動・いじめほか学校問題の研究・発信で知られる著者の初著作を、増補のうえ待望の文庫化。