書籍のレビュー・概要
富士山はいつ噴火しても不思議ではない。活発に噴火を繰り返して現在の姿に成長した富士山は若い活火山なのだ。どんな噴火が起こりえるのか、どう備えるのか。富士山の噴火予測はなぜ難しく、そのマグマが特異であるのはなぜなのか。火山学をリードしてきた著者が富士山の成り立ちとマグマの科学を解説し、噴火への心構えを説く。 ■著者からのメッセージ 日本のシンボルともいえる富士山は、前回の噴火から300年もの間、静かなままです。それ以前の噴火の履歴を調べてみると、平均して数十年に一度は噴火してきたので、この状況は異常事態だといえます。次の噴火はいつ起こっても不思議ではありません。 次の噴火の前に、富士山がどのような噴火を起こしてきたのか知ってほしいと願い、この本をまとめました。直近の噴火が注目されがちですが、可能性としてはそれだけではありません。富士山ではいろいろな噴火が起こってきたことを知ってもらいたいと願っています。それが次の噴火における災害を小さくすることにつながると思っています。 例えば雲仙普賢岳の噴火の場合も、直近の江戸時代の噴火とは異なり、6000年に一度の噴火が起こりました。直近の噴火に私たちの注意はひきつけられがちですが、ずっと昔に起こった噴火に遭遇することもあるのです。したがって、噴火の歴史を知ることがとても重要です。 噴火が起こることは避けられなくても、知ることにより、慌てずに対応して災害を小さくできる可能性が生まれます。 この本を通じて富士山がどのような噴火を起こしてきたのか、そして起こしえるのか、知っていただければ幸いです。(談)