書籍詳細

書籍のレビュー・概要

中世から近代への歴史潮流の中で「黄金時代」を築いた一七世紀オランダ。欧州低湿地の小国は、いかにしてプロテスタントの連邦共和国として資本主義、民主主義、科学技術という近代の支柱が胎動する舞台となったのか。オランダを「世界への窓」とした江戸期日本、そして米国へと播種されたその意味を捉え直す立体世界史の試み。

世界認識の再構築

Takumi ブックス

世界認識の再構築

17世紀オランダからの全体知

著者・関係者
寺島 実郎 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/09/05
体裁
四六・上製・394頁
ISBN
9784000256803
在庫状況
在庫あり

価格:2,970 円

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著者略歴

  • 寺島実郎(てらしま・じつろう) 1947年北海道生まれ.早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後,三井物産入社.米国三井物産ワシントン事務所所長,三井物産常務執行役員,三井物産戦略研究所会長等を経て,現在は(一財)日本総合研究所会長,多摩大学学長,(一社)寺島文庫代表理事.国土交通省・国土審議会計画部会委員,経済産業省・資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本政策分科会委員等を歴任. 著書に『脳力のレッスンⅠ〜Ⅴ』『日本再生の基軸』『シルバー・デモクラシー』『人間と宗教あるいは日本人の心の基軸』『21世紀未来圏 日本再生の構想』(岩波書店),『ダビデの星を見つめて 体験的ユダヤ・ネットワーク論』(NHK出版),『中東・エネルギー・地政学』(東洋経済新報社),『世界を知る力』(PHP新書)他多数.

目次

  1. はじめに――「近代とは何か」という問いかけ Ⅰ 近代の基点としての一七世紀オランダ――その世界へのインパクト 1 ピョートル大帝のオランダでの船大工体験 2 日蘭関係の原点、リーフデ号の漂着とは何か 3 アメリカに埋め込まれたオランダのDNA 4 なぜオランダは近代の揺籃器となったのか 5 ドン・キホーテの時代だったスペイン 6 ポルトガルが先行した大航海時代と天正遣欧使節 7 日本の大航海時代1――御朱印船貿易から鎖国へ 8 日本の大航海時2――鎖国とは中国からの自立でもあった 9 台湾をオランダが支配していた時代 10 宗教改革が突き動かしたもの 11 「東インド会社」という装置 12 フェルメールが生きた時代 13 レンブラントとユダヤ 14 近代への嚆矢としてのデカルトとスピノザ Ⅱ 江戸期日本と世界――西欧との出会いと中国からの自立過程 1 モンタヌスとケンペルの『日本誌』 2 石見銀山と銀の地政学 3 キリスト教の伝来と禁制 4 それからのキリシタン 5 オランダ商館長の江戸参府のインパクト 6 「オランダ風説書」と江戸期日本の世界認識 7 朝鮮通信使にみる江戸期の日・朝鮮関係 8 「国交なき交易」としての江戸期の日中関係 9 多摩の地域史が世界史に繫がる瞬間 10 東洲斎写楽はオランダ人か?――浮世絵再考 11 新井白石と荻生徂徠――時代と正対した二人の儒学者 12 本居宣長とやまとごころ 13 「蘭学」の再考察と杉田玄白なる存在 14 江戸期の琉球国と東アジア、そして沖縄の今 15 蘭学の発展とシーボルト事件の背景 16 世界を見た漂流民の衝撃――『韃靼漂流記』から『環海異聞』 17 アメリカとの出会いとその意味 Ⅲ 欧州のパラダイム・シフト――近代を考える視界の拡大 1 英蘭関係の複雑な位相1――ピューリタン革命まで 2 英蘭関係の複雑な位相2――王政復古から名誉革命 英国史に埋め込まれた経験知 3 欧州における一七世紀フランス――ルイ一四世・絶対王政がもたらしたもの 4 ドイツ史の深層とオランダとの交錯 5 プロイセン主導の統合ドイツに幻惑された明治期日本 6 一七世紀世界の相関を映し出す「青い眼のサムライ」――三浦按針という存在 7 科学革命における「コスモスの崩壊」とは何か 8 科学革命の影としての魔女狩り 9 人間機械論の変遷――デカルトからAIまで Ⅳ 中東・アジアへの視界――イスラムの世界化と帝国の興隆 1 イスラムの世界化とアジア、そして日本 2 オスマン帝国という視角からの世界史 3 オスマン帝国の後門の狼、サファヴィー朝ペルシャ 4 鄭和の大航海と東アジアの近世 5 インド史の深層 6 東南アジアの基層と西欧の進出――バタビア経由のオランダを見つめた江戸期日本 7 モンゴルという衝撃――十字軍と蒙古襲来 8 ロシア史における「タタールの軛」とプーチンに至る影 9 大中華圏とモンゴル、その世界史へのインパクト おわりに――「近代の超克」への新たな視界

本文紹介

資本主義、民主主義、科学技術という近代の支柱が胎動した一七世紀オランダ、そして江戸期日本の意味を捉え直す立体世界史の試み

抜粋:中世から近代への歴史潮流の中で「黄金時代」を築いた一七世紀オランダ。欧州低湿地の小国は、いかにしてプロテスタントの連邦共和国として資本主義、民主主義、科学技術という近代の支柱が胎動する舞台となったのか。オランダを「世界への窓」とした江戸期日本、そして米国へと播種されたその意味を捉え直す立体世界史の試み。