書籍詳細

書籍のレビュー・概要

日本語表現の不思議さと面白さにせまる。詩人や作家、歌人、俳人、ヒットソングの作詞家たちが、研ぎ澄まされた言語感覚のすべてを傾けて生み出した表現を、パズルのように解いてみる。言葉そのものが持つ奥行きを何重にも味わうための、日本語文法の入門書。より深く楽しむために、新たに二つの補説を加えた増補決定版。

表現を味わうための日本語文法 (岩波現代文庫)

Takumi ブックス

表現を味わうための日本語文法 (岩波現代文庫)

著者・関係者
森山 卓郎 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2025/08/08
体裁
A6・並製・278頁
ISBN
9784006004897
在庫状況
在庫あり

価格:1,452 円

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著者略歴

  • 森山卓郎 MORIYAMA Takurou 1960年京都市生まれ.大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学.1987年学術博士.大阪大学文学部助手・講師,京都教育大学教育学部国文学科教授を経て,現在,早稲田大学文学学術院教授.日本語学.著書『日本語動詞述語文の研究』(明治書院,1988年),『ここからはじまる日本語文法』(ひつじ書房,2000年),『モダリティ』(日本語の文法3,共著,岩波書店,2000年),『コミュニケーションの日本語』(岩波ジュニア新書,2004年),『音読・朗読入門』(共著,岩波書店,2007年),『国語教育の新常識』(共編著,明治図書,2010年),『日本語の〈書き〉方』(岩波ジュニア新書,2013年),『明解日本語学辞典』(共編著,三省堂,2020年),『あいまい・ぼんやり語辞典』(編著,東京堂出版,2022年)など.

目次

  1. 一 入門の入門―文法的思考ノススメ 1 ちょっと表現に立ち止まってみる 素朴さと表現としてのひねり 「ゆうゆうと」 「馬鹿に」 「としよりとこどもと」 2 「文法的思考」への誘い 文法的思考 一般化する・根拠を出す 「文法的思考」と「学校文法」 大切なのは「言葉」を意識化すること 二 格を欠くと、 1 はじめに 2 どういう関係? 「私だけ愛してた」 失禁するのは? 3 格助詞による意味の違い 「海へちる」と「海にちる」 「千円からお預かりします」 4 名詞の種類 「冬よ 僕に来い」 5 自他の対応 「扉が閉まります」 「落ちる」と「受かる」は大違い 自他の対応と責任 6 受け身と自動詞――「死ぬ」か「殺される」か クラムボンの死 ぐりまの死 7 「受け身」の表現と目のつけどころ 「牧のわか馬耳ふかれけり」 「飲んで飲んで飲まれて飲んで」 8 おわりに 三 主語は主語が…… 1 はじめに 2 「主語」というもの 「ぼくは だれそれが 好き」 アンパンマンは博愛主義者? それとも人気者? 「便所掃除」 「月が出た出た」と「出た出た月が」 主語と述語の対応 3 「は」と「が」 なぜ「は」「が」か 使われる場所による「は」「が」の使い分け 「生き残つた虫の一つは灯をめぐる」 「恋人がサンタクロース」 「私」と「は」「が」 「コレガ人間ナノデス」 4 「は」以外のとりたて 「こちらこそ申し訳ありません」 「本日は」か「本日も」か 夜も更けて参りました」 「とか」とか 5 おわりに 四 時にどきどき! 1 はじめに 2 状態と動きの表現 モーション俳句と静止画俳句 「動き」と「状態」の違いとは 「二時から三時まで遊んでいた」と「二時から三時まで遊んだ」 「アイスクリームがこぼれました」 「今」と「今現在」 「一つのメルヘン」 3 進行中だけではない「ている」 「ロンドン橋が落ちている」? 「ている」の可能性 4 「た」形が表すもの 「春が来た」 「彼はいい人だった」 「彼女はオーケストラ部の部長だった」のいろんな意味 5 「る」形が表すもの 「次は名古屋に停車するでしょう」? 「お金が百万ほど要る」 「日本人は米を食べます」 「あああ、むかむかする」 「言うこと」が「すること」になる場合 6 おわりに 五 文は人なり。 1 はじめに 2 頼んだり、命じたり、勧めたり 「丁寧」な表現はどれ? 丁寧なはずなのに変? 得するのは誰? 「どうぞ」「どうか」 「結構です」 「肩をおもみください」? 意志と勧誘 3 推量や断定 断定を表す文 不確実を表す形式 「もう駄目なやうか」 「だろう」 「はずだ」と「ちがいない」 「ようだ」と「らしい」 「来ないかもしれない」か「来るかもしれない」か 4 疑問文? 「じゃない」の誤解 もう一つの「じゃない」 肯定も否定も同じ「意味」? 「人を殺すような詩はないか」 「これはもう駝鳥ぢやないぢやないか」 5 おわりに 補説一 日常言語から考える文学の表現の楽しさ 1 はじめに 演奏者をかねた解釈者 『ごんぎつね』の「うん」をどう読むか? 大造じいさんの「ううむ」と「ううん」 2 日常言語での「で」 「お池のまわりに」が「お池のまわりで」でない理由? 「バラが咲いた」「どこかで春が」 3 「からたちの花が咲いたよ」 いろいろな表現の工夫 「時」との関係 4 おわりに 補説二 日常言語から逸脱した文学的表現 1 はじめに 2 逸脱的修飾関係 逸脱的修飾関係とスクリプト 修飾における時間的ずれ 修辞的逸脱と連体修飾 3 逸脱的構文関係 格関係における修辞的逸脱 構文論的擬人法? 二重性 逸脱の「ポエヂイ」 4 文学的表現としての表現の消去(省略) 書かないが表現の存在のみを暗示する 連用形終止 連用形後置名詞 動詞の消去 新聞見だしの格助詞 体言止め―名詞による終止 5 認知過程の現場性の再現 認知の現場性 繰り返しの効果 文学的表現 6 おわりに 岩波現代文庫版へのあとがき 引用作品作者一覧

本文紹介

研ぎ澄まされた表現の秘密を、パズルのように解いてみる。言葉そのものが持つ奥行きを何重にも味わうための、画期的な入門書。

抜粋:日本語表現の不思議さと面白さにせまる。詩人や作家、歌人、俳人、ヒットソングの作詞家たちが、研ぎ澄まされた言語感覚のすべてを傾けて生み出した表現を、パズルのように解いてみる。言葉そのものが持つ奥行きを何重にも味わうための、日本語文法の入門書。より深く楽しむために、新たに二つの補説を加えた増補決定版。