書籍詳細

書籍のレビュー・概要

かつて日本の勢力圏には、多くの書店が存在した。そうした「外地」書店と、そこへ書物を運んだ取次業者は、出版の中心たる内地と、他民族を含む外地の読者を結びつけ、流通網を形成した――。書店人の個人史を織り交ぜながら、帝国日本全域の取次・書店史を編み、人と知の移動を支えた文化的基盤の全貌を浮かび上がらせる。

帝国の書店

Takumi ブックス

帝国の書店

書物が編んだ近代日本の知のネットワーク

著者・関係者
日比 嘉高 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/08/07
体裁
A5・上製・414頁
ISBN
9784000240710
在庫状況
在庫あり

価格:5,940 円

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著者略歴

  • 日比嘉高(ひび・よしたか) 名古屋市出身.金沢大学文学部卒,筑波大学大学院文芸・言語研究科修了.博士(文学).京都教育大学教育学部准教授を経て,名古屋大学大学院人文学研究科教授.カリフォルニア大学ロサンゼルス校およびワシントン大学客員研究員.専門は,近現代日本文学・文化,移民文学,出版文化,デジタル・ヒューマニティーズ. 主な著書に,『〈自己表象〉の文学史──自分を書く小説の登場』(翰林書房),『ジャパニーズ・アメリカ──移民文学・出版文化・収容所』(新曜社),『いま,大学で何が起こっているのか』(ひつじ書房),『文学の歴史をどう書き直すのか──二〇世紀日本の小説・空間・メディア』(笠間書院),『プライヴァシーの誕生──モデル小説のトラブル史』(新曜社)など.

目次

  1. 凡例・参考地図 はじめに──外地書店からみえる帝国の人と知の風景 Ⅰ 書店網を見わたす──空間支配と知のインフラストラクチャ 第1章 帝国の書物ネットワークと空間支配──マリヤンの本を追って 第2章 外地への書店進出の歴史──書籍雑誌商組合史と小売書店の誕生から 第3章 帝国の書物取次──大阪屋号書店、東京堂、関西系・九州系取次など Ⅱ 近代東アジアの日本語書物流通──台湾、朝鮮、満洲、中国 第4章 新高堂と日本統治下の台湾書店史 第5章 朝鮮半島における日本語書店と書物取次ネットワーク 第6章 満洲の本屋たち──満洲書籍配給株式会社成立まで 第7章 中国で本を買う──華北、華中における日本人居留民と書店 Ⅲ 移植民地の書店──北南米、樺太、南洋 第8章 日本人街に本屋を開く──北米南米の日系移民と日本語書店 第9章 北方植民地の本屋──樺太における日本人書店史 第10章 南方共栄圏の書店と書籍配給 Ⅳ 戦争と書店──統制、配給、引揚げ 第11章 統制経済と書物流通──共同販売所から国策書籍配給会社へ 第12章 戦時下における内地外地の小売書店──企業整備、共同仕入体、読者隣組 第13章 本屋の引揚げ、本の残留 おわりに──そしてまた本屋を開いた 注 主要参考文献一覧 初出一覧 あとがき 人名索引

本文紹介

書店人の個人史を織り交ぜながら、帝国日本全域の取次・書店史を編むことで、人と知の移動を支えた文化的基盤の全貌を映し出す。

抜粋:かつて日本の勢力圏には、多くの書店が存在した。そうした「外地」書店と、そこへ書物を運んだ取次業者は、出版の中心たる内地と、他民族を含む外地の読者を結びつけ、流通網を形成した――。書店人の個人史を織り交ぜながら、帝国日本全域の取次・書店史を編み、人と知の移動を支えた文化的基盤の全貌を浮かび上がらせる。