書籍詳細

書籍のレビュー・概要

被爆による「体の障害」に比べて圧倒的に報告の少ない「心の傷」――癒えることのない傷は、一生放射能の恐怖に追いかけられるために生じる、きわめて重篤で特殊なPTSDだ。診察室の内外で、被爆者に長年向き合ってきた精神科医だからこそ発表できた数々の証言を紹介。これらを冷徹な目で分析した他にない労作。解説=栗原淑江。

ヒバクシャの心の傷を追って (岩波現代文庫)

Takumi ブックス

ヒバクシャの心の傷を追って (岩波現代文庫)

著者・関係者
中澤 正夫 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2025/07/15
体裁
A6・並製・262頁
ISBN
9784006033552
在庫状況
在庫あり

価格:1,243 円

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著者略歴

  • 中澤正夫 Masao Nakazawa 1937年群馬県生まれ.精神科医.佐久総合病院,群馬大学医学部精神科,代々木病院副院長などを経て,現在,代々木病院嘱託医.NPO法人「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」理事.著書に『死のメンタルヘルス』『ストレス「善玉」論』(岩波書店),『「死」の育て方』『他人の中のわたし』『凹の時代』(ちくま文庫),『記憶治療』『フツーの子の行方』(三五館),『六十で悪いか!』『治せる精神科医との出会いかた』(朝日新聞社),『子どもの凶悪さのこころ分析』(講談社+α新書)ほか多数.

目次

  1. はじめに 第1章 ヒロシマへの旅 第2章 見ても見えない――記憶の障害から「心の傷」を探る 第3章 「見捨て体験」とその記憶の再現――自責感の発生 コラム1 「水、水……」 第4章 見ても感じない――広範におきた感情麻痺の自己査定 コラム2 五感と障害 第5章 いまなお続く、連れ戻らされ体験 コラム3 PTSD 第6章 「心の被害」もあの日がスタート――さらに加わる心の傷 コラム4 日本被団協 第7章 被爆二世――体験伝達をめぐる微妙な親子関係 コラム5 遺伝子の問題 第8章 生き残ったことの意味を求めて――被爆者たちの老い 第9章 改めて心の被害とは 第10章 旅のおわりは、旅のはじまり? おわりに 岩波現代文庫版のためのあとがき 解説「ヒバクシャの心の傷」をめぐって………………栗原淑江 被爆者の「心の被害研究」歴史と解説

本文紹介

被爆者に長年向き合ってきた精神科医が、綿密に聞き取った証言を紹介しながら「心の傷」の正体に深く切り込む他にない労作。

抜粋:被爆による「体の障害」に比べて圧倒的に報告の少ない「心の傷」――癒えることのない傷は、一生放射能の恐怖に追いかけられるために生じる、きわめて重篤で特殊なPTSDだ。診察室の内外で、被爆者に長年向き合ってきた精神科医だからこそ発表できた数々の証言を紹介。これらを冷徹な目で分析した他にない労作。解説=栗原淑江。