書籍詳細

書籍のレビュー・概要

第一次世界大戦が史上初の「総力戦」として戦われたことは日本陸軍に大きな衝撃を与えた。一方「大正デモクラシー」という思潮が国民のなかで高まりをみせるなか陸軍はどのような対応をせまられたのか。多くの史料を精査・分析して浮かび上がった日本陸軍の近代化構想の変遷。定評ある研究書の待望の文庫化。解説=吉田裕

大戦間期の日本陸軍

Takumi ブックス

大戦間期の日本陸軍

著者・関係者
黒沢 文貴 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2025/07/15
体裁
A6・並製・496頁
ISBN
9784006004880
在庫状況
在庫あり

価格:2,167 円

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著者略歴

  • 黒沢文貴 Fumitaka Kurosawa 1953年東京都生まれ.上智大学大学院文学研究科博士後期課程修了.博士(法学).宮内庁書陵部編修課主任研究官を経て,東京女子大学現代教養学部教授.現在は東京女子大学名誉教授.日本近代史.著書『大戦間期の日本陸軍』(みすず書房,2000年.第30回吉田茂賞を受賞),『大戦間期の宮中と政治家』(みすず書房,2013年),『二つの「開国」と日本』(東京大学出版会,2013年),『歴史に向きあう―未来につなぐ近現代の歴史』(東京大学出版会,2020年).編著に『戦争・平和・人権―長期的視座から問題の本質を見抜く眼』(原書房,2010年),『日本陸海軍の近代史―秩序への順応と相克1』(東京大学出版会,2024年),『日本外交の近代史―秩序への順応と相克2』(東京大学出版会,2024年)など.

目次

  1. 序 章 一 課題と視角 二 本書の構成 三 史料について 第Ⅰ部 第一次世界大戦の衝撃と日本陸軍 第一章 日本陸軍の第一次大戦研究 はじめに 一 調査委員の成立と組織 二 調査委員の活動 1 資料の収集 2 陸軍内外への活動 三 調査委員と田中軍政 おわりに 表1 調査委員編制表 表2 調査委員一覧表 表3 陸士出身期表 表4 海外出張一覧表 表5 講話実施一覧 表6 貴族院議員一覧表 第二章 日本陸軍の総力戦構想 はじめに 一 経済力の育成 1 三つの課題 2 生産力の拡充 3 自給自足と自由貿易 二 政軍関係 三 挙国一致と自発性の喚起 おわりに 第三章 日本陸軍の「大正デモクラシー」認識 はじめに 一 状況としての「大正デモクラシー」認識 1 一般社会をめぐる「大正デモクラシー」 2 軍をめぐる「大正デモクラシー」 3 第一次世界大戦の教訓 二 思想としての「大正デモクラシー」認識 三 制度としての「大正デモクラシー」認識 おわりに 付表1 付表2 第四章 日本陸軍の教育制度改革論 はじめに 一 将校養成制度の変遷 二 一九二〇年の教育制度改革 1 制度改革の内容 2 教育制度調査委員会の議論 三 陸軍幼年学校の廃止 1 大阪および名古屋陸軍幼年学校の廃止 2 仙台陸軍幼年学校の廃止 3 熊本および広島陸軍幼年学校の廃止 おわりに 第五章 日本陸軍のアメリカ認識 はじめに 一 アメリカ研究の動機 二 国民軍事教育と国民性 おわりに 第六章 日本陸軍の軍近代化論 はじめに 一 精神強調論 二 装備・精神論 おわりに 第Ⅱ部 「満州事変への道」と日本陸軍 第七章 田中外交と日本陸軍 はじめに 一 総力戦の衝撃と「大正デモクラシー期」の陸軍 二 「一九二五年体制」と田中外交 三 田中・宇垣と陸軍中堅層 おわりに 第八章 満蒙侵略と国家改造 はじめに 一 統帥権干犯問題と陸軍「革新」派 二 三月事件――「内先外後」主義から「外先内後」主義へ 三 石原構想と関東軍 四 満蒙武力解決と軍制改革 おわりに 第Ⅲ部 「太平洋戦争への道」と日本陸軍 第九章 両大戦間期の体制変動と日本陸軍 はじめに 一 日本陸軍の総力戦構想と「一九二五年体制」の成立 二 「一九二五年体制」の動揺 三 「一九二五年体制」の崩壊 四 「一九四〇年体制」の構築 おわりに――「一九二五年体制」から「一九四〇年体制」へ 第十章 「一九四〇年体制」と総力戦研究所 はじめに 一 総力戦研究所の設立にいたる経緯 1 陸軍内の動向 2 一九三〇年代日本政治の動向 3 第二次近衛内閣と総力戦研究所の設立 二 総力戦研究所設置の理由 おわりに――総力戦研究所と総力戦論 註 あとがき 岩波現代文庫版あとがき 解 説……………吉田 裕

本文紹介

第一次大戦の「総力戦」の衝撃と大正デモクラシーのなか日本陸軍の近代化構想は何を目指しどう推移したのか。解説=吉田裕

抜粋:第一次世界大戦が史上初の「総力戦」として戦われたことは日本陸軍に大きな衝撃を与えた。一方「大正デモクラシー」という思潮が国民のなかで高まりをみせるなか陸軍はどのような対応をせまられたのか。多くの史料を精査・分析して浮かび上がった日本陸軍の近代化構想の変遷。定評ある研究書の待望の文庫化。解説=吉田裕