書籍詳細

書籍のレビュー・概要

アジア太平洋戦争を経験した兵士たちのほとんどが鬼籍に入った。彼らが体験し、記憶として伝えようとした戦場とは一体どのようなものだったのだろうか。中国への侵略に始まり太平洋や東南アジアに戦線を広げながら破局にいたる戦局を辿りつつ、兵士たちの残した膨大な体験記をもとに、戦場の実態を描き出す。解説・久保田貢

兵士たちの戦場 (岩波現代文庫)

Takumi ブックス

兵士たちの戦場 (岩波現代文庫)

体験と記憶の歴史化

著者・関係者
山田 朗 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2025/07/15
体裁
A6・並製・336頁
ISBN
9784006004873
在庫状況
在庫あり

価格:1,760 円

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著者略歴

  • 山田朗 Akira Yamada 1956年大阪府生まれ.東京都立大学大学院博士課程単位取得退学.明治大学文学部教授.日本近現代政治史・軍事史.著書『軍備拡張の近代史―日本軍の膨張と崩壊』(吉川弘文館,1997年),『昭和天皇の軍事思想と戦略』(校倉書房,2002年),『世界史の中の日露戦争』(吉川弘文館,2009年),『近代日本軍事力の研究』(校倉書房,2015年),『大元帥昭和天皇』(ちくま学芸文庫,2020年),『昭和天皇の戦争認識―『拝謁記』を中心に』(新日本出版社,2023年),『増補昭和天皇の戦争―「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』(岩波現代文庫,2023年)など.

目次

  1. はじめに 〈戦争の記憶〉の希薄化 戦争の〈表の記憶〉と〈裏の記憶〉 本書の目的――〈戦争の記憶〉の再構成と歴史叙述化 本書の方法と留意点 代表的兵士のプロフィール 第1章 侵攻と殺戮――泥沼化する日中戦争(1939年〜1941年12月) 1 奥地侵攻と援蔣ルート遮断――西進と南進 奥地侵攻と航空戦 援蔣ルート遮断をめざす海上封鎖 大陸に分散する日本軍 2 重慶爆撃と零戦 さらに奥地へ――宜昌の占領・放棄・再占領 苦戦する対重慶戦略爆撃 零戦の登場と「伝説」の誕生 3 対ゲリラ戦闘と秘密戦 大兵力の駐屯と「高度分散配置」 八路軍「百団大戦」の衝撃 残虐行為の悪循環 生物化学兵器の使用 上海共同租界での謀略活動 さらなる秘密戦の展開――偽札による経済謀略戦 第2章 勝利と代償――世界戦争への突入(1941年12月〜1942年3月) 1 先制と集中――航空戦の勝利 マレー半島コタバル上陸をめぐって ハワイ真珠湾攻撃 フィリピン航空戦――海軍の場合 フィリピン航空戦――陸軍の場合 マレー沖海戦――「中攻」の栄光 生か死か――薄氷を踏む航空戦 2 南方侵攻作戦――勝利と占領の陰で コタバル海岸の兵士たち マレー半島進撃の難航 戦車隊の敵陣突破 第二次長沙作戦の強行 水中からの真珠湾攻撃 ウェーク島での蹉跌 第3章 蹉跌と消耗――戦局の転換(1942年4月〜1943年10月) 1 ミッドウェー海戦 ミッドウェー島空襲 「赤城」の艦橋 便乗者の海戦 五里霧中――アリューシャン作戦 2 ガダルカナル海空戦 ガダルカナルをめぐる海空戦――第一次ソロモン海戦 ガダルカナル上空の戦い ガダルカナルをめぐる海空戦――南太平洋海戦 難渋する補給戦 飢餓地獄の戦場 3 ニューギニアの戦い ポートモレスビーの灯り ブナ地区の「玉砕」 ラエ・サラモア方面増援の失敗 4 ソロモンの大消耗戦 ソロモン撤収作戦 「中攻」の墓場 虚報の始まり――ブーゲンビル島沖航空戦 第4章 退却と飢餓――防衛ラインの崩壊(1943年11月〜1944年9月) 1 ギルバート諸島の失陥とトラック諸島の壊滅 ラバウルの落日 マキン・タラワの「玉砕」 トラック諸島の壊滅 2 果てしなき退却と新たな攻勢の始まり ニューギニア――果てしなき退却 中国――大陸打通作戦の始まり ビルマ――インパール作戦の始まり 3 決戦のゆくえ Z旗あがる――マリアナ沖海戦の始まり マリアナ沖海戦の結末 サイパン島の「玉砕」 インパール作戦の結末 もう一つのビルマ戦線――フーコン河谷 大陸打通作戦――衡陽の攻略 第5章 崩壊と自滅――終われない戦争(1944年10月〜12月) 1 台湾沖航空戦の「大戦果」 敵機を見ず 敵機動部隊を見ず 大勝利の情報 「大戦果」の実態 2 レイテ沖海戦と特攻作戦 神風特別攻撃隊の出撃 レイテ沖海戦――戦艦「武蔵」の最後 特攻隊の変質 特攻隊の「真意」 3 レイテ決戦下の戦況 比島航空戦を支えるもの 中国戦線――桂林攻略 中国戦線――警備と徴発 中国戦線――治安維持会と慰安所 中国戦線――軍紀頽廃 第6章 「玉砕」と生還――敗戦から復員へ(1945年1月〜9月) 1 ルソン持久戦下の戦況 マニラ脱出 バレテ峠 ビサヤの戦い――ネグロス島 ビルマ戦線――メイクテーラの戦い 中国戦線――芷江作戦 2 硫黄島と沖縄の戦い 硫黄島の戦い 慶良間諸島の特攻艇 航空特攻作戦の最高潮 海上特攻隊――「大和」沈没 沖縄地上戦――戦線離脱 3 敗戦 本土決戦準備――毒ガス戦演習 「「風船爆弾」アメリカ本土を脅かす」 本土決戦準備――遊撃戦のために 本土決戦準備――食糧増産の農耕兵 投降――硫黄島・沖縄 本土防空戦――B29邀撃戦 最後の水中の戦い――潜水艦と「回天」 敗戦の日――中国戦線 敗戦の日――南方戦線 4 復員と抑留 日本本土・台湾 沖縄・マリアナ・硫黄島 ニューギニア 中国・満州・シベリア おわりに――戦場体験の〈記憶〉と〈歴史〉化 体験者数と〈記憶〉の数 〈記憶〉の再構成と〈歴史〉化 戦死と生還 註 あとがき 岩波現代文庫版あとがき 解 説……………久保田 貢 関連年表 索 引

本文紹介

兵士たちが体験し、記憶として伝えようとした戦場とはどのようなものだったのか。体験記をもとに実態を描き出す。解説・久保田貢

抜粋:アジア太平洋戦争を経験した兵士たちのほとんどが鬼籍に入った。彼らが体験し、記憶として伝えようとした戦場とは一体どのようなものだったのだろうか。中国への侵略に始まり太平洋や東南アジアに戦線を広げながら破局にいたる戦局を辿りつつ、兵士たちの残した膨大な体験記をもとに、戦場の実態を描き出す。解説・久保田貢