書籍詳細

書籍のレビュー・概要

「民間の新嘗祭」と呼ばれる奥能登のアエノコト。稲作民族の原点を伝えるとされるその姿は、じつは、激変する戦後日本の中で柳田国男とその門下たちによって「発見」されたものだった。フィールドとテクストに働く政治と修辞を徹底的に読み解き、アエノコトを「二十世紀の物語」として再考する。(解説=佐藤健二)

柳田国男と民俗学の近代

Takumi ブックス

柳田国男と民俗学の近代

奥能登のアエノコトの二十世紀

著者・関係者
菊地 暁 著
カテゴリ
現代文庫
刊行日
2025/06/13
体裁
A6・並製・412頁
ISBN
9784006004859
在庫状況
在庫あり

価格:1,925 円

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著者略歴

  • 菊地暁 Akira Kikuchi 1969年北海道生まれ.京都大学文学部卒業.大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了.博士(文学).京都大学人文科学研究所助教.民俗学専攻.著書に『民俗学入門』(岩波新書),『書いてみた生活史―学生とつくる民俗学』(編著,実生社),『学校で地域を紡ぐ―『北白川こども風土記』から』(共編著,小さ子社),『日本宗教史のキーワード―近代主義を超えて』(共編著,慶應義塾大学出版会),『今和次郎「日本の民家」再訪』(共著,平凡社),『身体論のすすめ』(編,丸善)ほか.

目次

  1. 序 章 奇妙な懸隔――柳田/民俗学というアポリア 第一章 闘争の場としての民俗文化財――宮本馨太郎と祝宮静の民俗資料保護 はじめに――民俗/学の再想像 一 起源としてのアチック 二 「民俗資料」の独立 三 民俗資料緊急調査の波紋 四 民俗文化財研究協議会の軌跡 おわりにかえて――そして「民俗文化」は「財」になる 第二章 あえのことのこと――小寺廉吉と四柳嘉孝の民俗調査 はじめに――ある儀礼像の創出 一 放浪の研究者――小寺廉吉の若山村調査 二 饗応の祭典――『歳時習俗語彙』から『山宮考』ヘ 三 分布と形態――四柳嘉孝のアエノコト調査 四 稲の産屋――にひなめ研究会と九学会連合能登調査 おわりにかえて――「民間の新嘗祭」の誕生 第三章 民俗と写真のあいだ――芳賀日出男と民俗写真 はじめに――民俗写真というプロブレマティック 一 写真家の民俗/民俗学者の写真 二 演出の否定――柳田国男の写真観 三 六枚目の写真――野本家のアエノコト 四 『田の神』へ至る道――芳賀日出男のアエノコト おわりにかえて――再び、民俗写真というプロブレマティック 第四章 農の心の現在――原田正彰とあえのこと保存会 はじめに――「文化の客体化」論再考 一 国指定重要無形民俗文化財――保存会設立まで 二 埋め込まれる太陽神――原田正彰の記述と調査 三 観光化の「希望」と「挫折」――植物公園のアエノコト実演 四 能登を越える――江戸村と国立歴史民俗博物館 五 伝承する現在――梅勝二さんと中谷省一さん おわりにかえて――それぞれのアエノコト 終 章 エスノグラフィック ノ セカイ 文献一覧 あとがき 岩波現代文庫版へのあとがき 解 説 索 引

本文紹介

激変する戦後日本の中で、柳田国男とその門下たちが「発見」したアエノコト。その過程を、「二十世紀の物語」として再考する。

抜粋:「民間の新嘗祭」と呼ばれる奥能登のアエノコト。稲作民族の原点を伝えるとされるその姿は、じつは、激変する戦後日本の中で柳田国男とその門下たちによって「発見」されたものだった。フィールドとテクストに働く政治と修辞を徹底的に読み解き、アエノコトを「二十世紀の物語」として再考する。(解説=佐藤健二)