書籍詳細

書籍のレビュー・概要

突如自由を奪われ、独裁体制下で生きた二四年。北朝鮮からの「帰国」を後押ししたのは、現地に暮らすある人の言葉だった――。私はなぜ拉致されたのか。「マインドコントロール」「革命教育」の現実は。国家に生を翻弄された当事者自らが未解決事件の本質をえがく。重層的な人権問題として拉致を捉えなおす決定版。

日本人拉致

Takumi ブックス

日本人拉致

著者・関係者
蓮池 薫 著
カテゴリ
文庫
刊行日
2025/05/20
体裁
新書・228頁
ISBN
9784004320647
在庫状況
在庫あり

価格:1,034 円

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著者略歴

  • 蓮池 薫(はすいけ・かおる) 1957年,新潟県柏崎市生まれ.新潟産業大学特任教授.中央大学法学部3年在学中の1978年に拉致され,24年間,北朝鮮での生活を余儀なくされる.帰国後,同大学に復学し卒業.著書に『半島へ,ふたたび』『拉致と決断』(いずれも新潮文庫)など.訳書にキム・フン『ハルビン』(新潮社),キム・ワン『死者宅の清掃』(実業之日本社)など多数.拉致問題の啓発と解決のため,講演活動やメディア発信を積極的に行なう.

目次

  1. はじめに――ある人の言葉 選択肢のなかった日々 何のために二四年間を奪われたのか Ⅰ 問題は決して「解決済み」ではない 1 「八人死亡」は事実か 二〇年の時を経て 「遭難救出」から「拉致」へ 当局へのダメージ軽減――二つの策略 筋書きどおりに動かせる人物を 指導部は何を見誤ったか 2 変遷する説明――横田めぐみさんをめぐって 他人の遺骨だった 拉致被害者の住所は最高機密 妻の「死亡日」を錯覚? 車の行き先は 不自然な「遺骨」保管経緯 捏造の理由 Ⅱ 日本人拉致の本当の目的 1 直接の目的は何だったのか 拉致機関は二つ 「よど号」グループによる“人材獲得” スパイ網の構築のために 「土台人」を利用してのなり代わり 非合法、半合法、合法 2 世界各地で発生した事件 金賢姫の告白 「日本人は思いどおりにはできない」 偶発的な拉致だったのか 一一人の被害――一九七七〜七八年 曽我ひとみさん親子・田口八重子さんの場合 前代未聞の同時多発事件 Ⅲ 拉致は北朝鮮に何をもたらしたのか 1 果たされなかった目的 進まない思想改造 「拉致されたことは恥ずかしい」 一九八八年、実家に届いた手紙 「豆飯を食わせる」警告 二〇〇二年の方向転換 謝罪の背景――経済援助だけではない 2 まず「拉致」ありきの発想 最初の拉致で、犯人は逮捕されていた なり代わったが、持て余す 対外情報調査部の「消極性」 逮捕、自白 送還ののち「非転向長期囚」に 3 計画を頓挫させたもの 確認できない工作員教育 工作員の条件――政治軍事大学卒業 脱出に成功した被害者たち 国内で育成する方針に 外国人「工作員化」の非現実性 Ⅳ 変容する思想教育 1 工作員育成のための「マインドコントロール」術 言いようのない孤独 韓国敵視――塗りつぶされた「韓」の字 「社会主義は世界の趨勢」 映画学習、日本人としての「負い目」 「この内容、わかりますか」 言われるままに 贈り物伝達式 2 育成放棄後の思想統制 思想の「現地化」へ 国際情勢に目を向けさせない「二〇〇日戦闘」 朝鮮半島核危機へ 涙は出ない 希望のありか Ⅴ 独裁下を生きるということ――私に与えられた「革命任務」 1 一二人の工作員に日本語を教える 「用済み」とされた被害者をどう扱うか 手に負えない任務 朝鮮戦争従軍者たち ネイティブ化という幻想 将来不安な生徒 この二人も秘密工作員の任務につくことはなかった 敵の手に落ちれば――幹部の保身 怖さと後ろめたさ 2 書庫での発見 対外情報調査部七課 検閲からこぼれた記事 武田信玄について翻訳させられた 革命英雄の小説執筆 一冊のパンフレット 3 異質な任務 新室長の野心――金正日の現地指導 「自力更生」のため建設労働者に 月命日ごとに、花かごを 生死を懸けた熾烈な政争 遮断塀の中の生活 機密に接することが負担だった 自分で自分を警備する 4 動き出した事態 日朝国交正常化という目標 「日本に帰るのが怖い」 平壌市内の生活には馴染めない 小泉訪朝、面談へ――変わる北朝鮮側の指示 本音を話せない虚しさ 踏み絵だった質問――「子どもを連れていくか」 決断を後押しした言葉 おわりに――重層的な人権問題として 拉致問題の原点 被害者「線引き」の意味は 被害は拉致そのものだけではない 日本人拉致 関連年表

本文紹介

なぜ私は拉致されたのか? 「マインドコントロール」の現実とは。国家に生を翻弄された当事者が、未解決事件の本質を記す。

抜粋:突如自由を奪われ、独裁体制下で生きた二四年。北朝鮮からの「帰国」を後押ししたのは、現地に暮らすある人の言葉だった――。私はなぜ拉致されたのか。「マインドコントロール」「革命教育」の現実は。国家に生を翻弄された当事者自らが未解決事件の本質をえがく。重層的な人権問題として拉致を捉えなおす決定版。