書籍詳細

書籍のレビュー・概要

この国の生活保障システムは人びとの命と暮らしを脅かしている。所得再分配後に貧困が深まるという〈逆機能〉の存在を指摘してきた著者が、歴史の検討と各国との比較を通じて「男性稼ぎ主」型システムの問題点をあぶり出し、社会のしくみを歪めたアベノミクスとコロナ対策を徹底批判。転換の方途を提言する。

生活保障システムの転換

Takumi ブックス

生活保障システムの転換

〈逆機能〉を超える

著者・関係者
大沢 真理 著
カテゴリ
人文・社会科学書
刊行日
2025/04/24
体裁
A5・上製・336頁
ISBN
9784000616898
在庫状況
在庫あり

価格:5,060 円

カートを見る

著者略歴

  • 大沢真理(おおさわ・まり) 1953年生まれ.東京大学名誉教授.社会政策研究者.経済学博士.『イギリス社会政策史――救貧法と福祉国家』(東京大学出版会),『男女共同参画社会をつくる』(NHKブックス),『現代日本の生活保障システム――座標とゆくえ』,『いまこそ考えたい 生活保障のしくみ』(以上,岩波書店),『企業中心社会を超えて――現代日本を〈ジェンダー〉で読む』(時事通信社,第13回山川菊栄賞受賞,のち岩波現代文庫),『生活保障のガバナンス――ジェンダーとお金の流れで読み解く』(有斐閣,第6回昭和女子大学女性文化研究賞受賞)のほか編著書多数.訳書にG.エスピン=アンデルセン『平等と効率の福祉革命――新しい女性の役割』(監訳,岩波現代文庫)がある.

目次

  1. はじめに これでは持続しない 1 問題の所在 2 貧困事情 3 コロナ禍の死亡事情 4 小 括 序 章 生活保障システムの機能と型 1 定義と課題 2 生活保障システムの型――政策サイクルにそくして整理すると 3 小 括 第Ⅰ部 多様性のなかの日本の位相 第一章 「男性稼ぎ主」型の成立と脆弱性 1 政府側はどう見てきたか 2 「男性稼ぎ主」型システムの形成 3 「男性稼ぎ主」型と大企業本位の淵源 4 大企業本位の設計はいかに適用されたか 5 小 括 第二章 「男性稼ぎ主」型の成果とその推移 1 たかが所得、されど所得 2 所得貧困の推移 3 小 括 第三章 生活保障システムの機能――税と社会保障の累進度に注目して 1 政府税収の状況と推移 2 社会支出の状況と推移 3 小括に代えて――貧困削減率の推移 第四章 投資する国と処罰する国――子どもを産み育てること、就業すること 1 社会的投資パッケージの展開 2 社会的投資アプローチへの批判と反論 3 「男性稼ぎ主」型の強さと社会サービス 4 小 括 第Ⅱ部 アベノミクスを検証する 第五章 生活保障をめぐるビジョンの布置 1 福祉国家の実現から自助自立へ 2 政権危機・経済危機下で「安心」の優先 3 民主党内閣の政策と自民党二〇一〇年綱領 4 小括に代えて――財政健全化への責任感と生活保護バッシング 第六章 アベノミクスはなにをしたのか パートⅠ――社会保障の重点化・効率化 1 生活扶助基準引き下げと子どもの貧困対策法、 社会保障制度改革国民会議報告書 2 一連の骨太の方針と制度改正 3 分配と再分配 4 小 括 第七章 アベノミクスはなにをしたのか パートⅡ――コロナ禍よりもコロナ対策禍 1 コロナ禍が露にした脆弱性 2 コロナ禍への日本政府の対応 3 小 括 第八章 周回遅れから逆走し、苛烈な女性処罰――岸田「新しい資本主義」の実相 1 「新しい資本主義」の変遷――貧困削減をめぐって 2 アベノミクスから離反したのか 3 小 括 終 章 命と暮らしを守る生活保障システムとは 1 「国の奴雁」たちは何を提案してきたか 2 本書の提案 注 あとがき 引用文献 人名索引・事項索引

本文紹介

この国の生活保障システムは人びとの命と暮らしを脅かしている。「姥捨て」社会・日本の問題点をあぶり出し、転換の方途を提言。

抜粋:この国の生活保障システムは人びとの命と暮らしを脅かしている。所得再分配後に貧困が深まるという〈逆機能〉の存在を指摘してきた著者が、歴史の検討と各国との比較を通じて「男性稼ぎ主」型システムの問題点をあぶり出し、社会のしくみを歪めたアベノミクスとコロナ対策を徹底批判。転換の方途を提言する。